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かどまの民話「おすまさんと笑い猫」

キツネのイラスト

昔、現在の元町にある門真神社付近のお菓子屋に、おすまさんという老婆と飼い猫のガラスケが仲良く住んでいた。この猫は変な奴で、小さい時から「ニャーニャー」となかずに何故か「ガラガラ」と人が笑っているようにいつも鳴きよる。時々寝転んで前足と後足を上下にしてガラガラと鳴く気味の悪い猫のガラスケであった。

ある日のことやった。畑に向かう牛がお菓子屋の前を通りかかったときである。「ガラガラ、ガラガラ」牛はびっくりして立ち止まり、大きな目をくるくる回してみてみると、「何じゃい、猫のくせに変な声を出しやがって、仕事に出かける俺様を驚かすんじゃあねえぜ。モー!」と牛も驚かすガラスケであった。
また、ガラスケはひょうきん者で、お店にお客さんがくると品物を口にくわえて渡し、おすまさんが「毎度おおきに」というと「ガラガラ」と愛想笑いをしチョコンと頭を下げよる。

愛想のよいガラスケは村中の評判になり、やがてよその村からもガラスケを見ようと集まって来るようになった。雨が降って客足が少ないときはガラスケは外にでて「ガラガラ」と笑い手招きをしてお客さんを呼び込んだりもした。お客さんも口々に「不思議な猫がおるもんや。ガラガラと愛想笑いをしよる。あれは幸運を運んでくる神様のようじゃ。」と言い、お店は毎日黒山の人。商売のほうもガラスケ人気にあやかって「ガラガラ餅」と「ガラガラまんじゅう」を売り出すとたちまち売り切れてしまう毎日で、おすまさんのお店は笑いが止まらないほど儲かった。

そんなある日のことやった。ガラスケのことを耳にした京都伏見の人形師がやってきた。ガラスケは相変わらず笑いながら店を手伝っていた。それを見ていた人形師はポンと手を叩き、「そうや、このガラスケの人形を作れば、売れる『福猫』『招き猫』として商売繁盛間違いなしや。」と考え、早速京都へ帰り沢山のガラスケ人形を作ることにした。
商人達は遠方からはるばる御利益にあやかろうとこのガラスケ人形を買いにやってきた。ガラスケ人形は飛ぶように売れ人形師はしてやったりと大喜びでおすまさんの所へ駆けつけお礼を言った。年末にはガラスケの好物の鰹節も贈った。ガラスケは思わぬ贈り物に「ガラガラ」と大喜びし、その後も今まで以上に愛想よく、おすまさんに我が子のように可愛がられ長く幸せに暮らしたそうな。

出典

「門真の民話」 門真市PTA協議会母親代表委員会 編纂

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