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かどまの民話「カモと白キツネ」

昔、門真の桑才は水辺野と言って池や沼がたんとあり、そこで魚を捕って暮らしている人がおった。その池や沼ではフナやモロコ、ドジョウと沢山の魚がとれてなぁ。 秋になるといろんな渡り鳥が降りてくるんや。中でもカモは空の色が変わるほど群れを成して飛んできよった。

ある日のこと、魚とりをしていた村人が、「何とかあのカモを捕れんもんかなぁ。」とつぶやいた。するともうひとりの男が「魚もうまいがカモ鍋は最高や。おれは〝たかのはり〟と言う仕掛けを知っている。その仕掛けでいっちょうカモを捕ってみるか。」とすぐに仕掛けを作ることになった。〝たかのはり〟というのは竹を二本立てトリモチを付けた糸を竹にくくり付けておく仕掛けのことで、村人はその日の夕暮れ時に早速仕掛けてみた。

しばらくじっと待っていると、どこからかカモの群れがやってきて水面すれすれをグルグル回りだした。その中の二、三羽のカモの羽にトリモチの付いた糸が引っ掛かり、逃げようと暴れるので糸が外れカモに巻きつき沼地に落ちた。
「やった。罠にかかりよった。カモが捕れたぞ。」村人はたいそう喜んだ。

白キツネのイラスト

そしてまた明くる日、また罠を仕掛け木陰で潜んでいると、同じように村人から少しはなれたところに、となり村の北島に住むという白キツネがジィーと隠れておった。腹を空かした白キツネは、
「うまそうなカモじゃあ。一つ味見と行くか。」と鋭い目つきでチャンスを窺っているところだった。
しばらくたちカモが罠にかかりバタバタと沼地へ落ちていった。それを見た村人はカモをとりに行こうとした。その一瞬の隙を狙った白キツネはスルスルとまるで氷の上を滑るように沼地を駆け、カモをくわえ村人の前を走り抜けていった。

「ほほう、さすが噂に聞いていた悪賢い白キツネじゃあ。」
とあまりにも見事な足さばきにあっけに取られ追いかけるどころか感心する始末だった。
ところがその後、味をしめた白キツネは度々横どりするようになり、村人はとうとう怒ってしまった。
「何て野郎だ。白キツネの奴、とっ捕まえてうんと懲らしめてやる。」
と今度は白キツネを捕まえる罠を作った。でも悪賢い白キツネのこと、なかなか罠にかからなかった。そんなとき一人の老人が、「罠の中に油あげを入れてみたらどうじゃろう。」と言い、そうして三日目の夕方、さすがの白キツネも大好物の油あげには勝てず、とうとう罠にかかってしまった。
「イテテテテーッ、助けてください。もう横取りなんて致しません。イテテテテーッ。」

その後、白キツネはどこか遠くへうられてしまい、桑才では船に一杯になるほどのカモが捕れたそうな。

出典

門真市PTA協議会 母親代表委員会(平成14年度)『かどまの民話』

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