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かどまの民話「弁天(べんてん)池(いけ)と長福寺(ちょうふくじ)の弁財天(べんざいてん)さまのお話」

池のイラスト むかしむかしのことだが、河内一帯はな、何百年ぶりの日照り続きでな、田んぼや畑はひび割れたんや。稲は枯れてしまうし、なぁーんにも作れなんだ。まるで砂漠のようなありさまじゃった。太陽はかんかんと照り続け、池の水もついには果ててしまいよった。しまいには飲み水さえもなくなってきたんや
こうなったのも天に住む竜神様がたいへんお怒りになっておられるからじゃ。おお、くわばら、くわばらと、おそれおののいておった。

そんなとき、村の長老が
「これはもう神、仏におすがりするしかない。竜神様のおいかりをなだめなければどうにもならへん。」 といいだした。
「何とかして長福寺の和尚(おしょう)におすがりしてみよう。」 と村人たちは和尚のところへいき、今までのことを話して聞かせた。

それを聞いた和尚は深くうなづき、 「それはたいへんなことじゃ。」 と考えこんでいたが、 「昔もこれに似たようなことがあった。その時は、弘法大師(こうぼうだいし)さまに雨乞いの祈祷をしてもらい大雨をふらすことができたんじゃ。」 と話してくれた。
「私はこれから安芸(あき)国、厳(いつく)島(しま)神社(じんじゃ)までいき、だいかん和尚にお願いして弁財天さまのご神体に命がけで雨乞いの大祈祷をやってもらおう。竜神様もきっときっと村人たちの必死の願いをお聞き届けにならないはずがない。」 とおっしゃって、雨乞いの大祈祷を天に届けとばかりに一心不乱(いっしんふらん)につとめられたんや。

するとどうしたことか、三日目のことだった。夕方、千里四方をおおうような大雨がふってきよったんや。わーっと大歓声があがり、
「雨や、雨や。めぐみの雨が降ってきた。」 とさわぎだし、口々にわめきながら弁天池の方へ駆けていった。
するとあんなにも枯れていた池の水がな、岩のほうから清水がほつほつとわきでているではないか。
それからというものは枯れ死寸前であった稲田は見事によみがえったんや。

村人は長福寺の弁財天さまのご神体を守護神としてあがめ、弁天池にある小さな島に弁財天さまのご神体をお移しして、お祈りするようになり、盛大な祭りを営むようになった。そして池には沢山の魚を放してやり、弁天池の小島には橋も架けられ常夜灯(じょうやとう)も付けられ参詣道も改修されて多くの人々で賑わったそうや。

昔は地方の一名所でしかないけれど、今でも信者の皆さんの努力で祭りが続いておるそうな。

出典

門真市PTA協議会 母親代表委員会(平成14年度)『かどまの民話』

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