平成23(2011)年度施政方針 本市を取り巻く情勢と展望

次に、我が国の政治・経済、暮らし、地方自治を取り巻く情勢と展望についてであります。

我が国の経済は、緩やかに回復基調にある世界経済を背景に、景気刺激策の効果もあって、個人消費や設備投資など、一部、持ち直しの動きが見受けられるものの、依然として長引く不況のトンネルから抜け出すことができず、内閣府では、「景気は足踏み状態にあり、また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」と分析しており、新卒者の就職内定率が過去最低を記録するなど、引き続き厳しい状況にあることが、数字としてもはっきりと示されております。

大阪府においては、完全失業率が直近のデータで5.7%と、全国平均の5.1%を大きく上回っており、また、非正規労働者の割合も44.5%と高く、市民の雇用環境、生活実態は、厳しい状態が続いているものと認識いたしております。

また、人口減少・少子高齢社会の急激な進行の中で、年金、医療、介護などの社会保障制度や福祉制度と税金のあり方が大きな政治課題となっているなど、市民生活に直結する情勢は混沌とした状況にあります。

このような不安定な国の状況下ではありますが、日に日に「地域主権改革」の動きにつきましては、国だけにとどまらず、地方においても活発化してきております。

平成22年6月に閣議決定されました「地域主権戦略大綱」では、地方公共団体、とりわけ市民の皆様に最も近い基礎自治体の役割が重点化されており、国においては、地方分権の推進、地方自治制度の大幅な改正などが議論されているところであります。

また、平成22年12月には、関西広域連合が発足し、大阪都構想の是非も活発にマスコミで取り上げられるなど、地方自治のあり方が焦点になっております。

このような情勢のもと、市民の皆様の暮らしを守り、市民福祉の増進を図る基礎自治体といたしましては、自治体の判断、政策で自由に使える財源の確保をはじめとして、地方自治の本旨である、住民自治と団体自治が発展する「地域主権改革」の推進をめざしていかなければなりません。

また、このことは同時に、国の政策や財源に頼るばかりではなく、基礎自治体として、しっかりとしたビジョンを持ち、政策形成・実務能力を高め、持続可能なまちづくりを構築していく力量が求められていると考えております。

本市の財政状況につきましては、昨今の経済情勢や高齢化により、社会福祉や社会保障の経費が大幅に伸び続けるなど、財政運営の経常的な経費、いわゆるフロー面では引き続き厳しい状況が続いており、国民健康保険事業の累積赤字につきましても、まだまだ解消に至らない課題があります。

しかし、また、その一方で、平成20年3月に財政健全化計画案の第1次改訂版を策定し、行財政改革を推進することにより、財政調整基金への積み立てについては、財政健全化計画案を大幅に上回っているなど、ストック面で一定の投資的事業を行える財政運営になってきており、いわゆる国の「財政健全化法」による「早期健全化団体」に該当するという直面する危機を脱し、連結実質赤字比率など、財政健全化の4指標につきましては、毎年改善しており、財政健全化への道は、軌道に乗りつつあります。

こうした状況の中で、平成23年度の予算におきましては、収支均衡型の予算編成を堅持しつつ、市民サービスの向上やまちづくりの発展のため、積極的な予算といたしました。

現在、市民の皆様の参画を得て制定作業を進めております「(仮称)門真市自治基本条例」づくりや地域通貨「蓮(れん)」の活用をはじめとして、様々な場面で「市民力」・「地域力」を高め、公民協働によるまちづくりが大いに発展するとともに、第5次総合計画の施策展開とあいまって、車の両輪の如く力強く駆動しながら、将来の門真市が真の意味での自立・発展を図っていける、希望にあふれた未来が見えるまちになるよう市政運営を行う決意であります。

今後とも引き続き、生成し自ら発展する持続可能なまちづくりの推進に全力を傾注してまいりますので、市議会をはじめ、市民の皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

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更新日:2019年10月31日