令和2(2020)年度施政方針

更新日:2021年05月31日

はじめに

本年は、私が平成28年7月に市長に就任してから、4年目となり、今任期の総仕上げの年となります。市長就任以来、「地域に根差した子育て・教育施策の充実」、「産業の振興と身近で働ける場の創出」、「まちづくりの推進による快適な住まい環境の整備」を3本柱とし、子どもを真ん中においた、地域づくり、まちづくりに取り組んでまいりました。

特に子育て・教育環境におきましては、国に先駆けた3歳から5歳児の幼児教育・保育・療育の利用者負担の無償化、子育て世代包括支援センターひよこテラスの開設、保育定員の拡充による待機児童の解消、こども医療助成費の18歳までの拡充、小中学校のICT環境整備の取組など、これまで撒いてきた多くの種が芽吹き成長し、いずれは青々と広がって、千年の間、高くそびえる薫蓋楠のように地にどっしり根を下ろし、必ずやその成果を実感できるものと確信しております。

さて、昨年を振り返りますと、新しく天皇陛下が即位され、平成から令和へと新たな時代の幕あけとなりました。また、G20大阪サミットやラグビーワールドカップの開催など、世界的なイベントにおきまして大阪が注目された1年でもありました。

今年は、東京でオリンピック・パラリンピックが開催され、さらに世界から日本が注目される年となります。また、大阪におきましては、2025年の大阪・関西万博の開催を控え、府内各地のアクセス整備や先端技術の実装など、様々な取組が加速しております。万博のテーマであります「いのち輝く未来社会」は「誰一人取り残さない持続可能な世界の実現」をめざす、SDGsが達成された社会であります。本市といたしましても、万博の開催都市である大阪の自治体の一つとして、機運醸成に努め、スマートシティやSDGsの取組を、積極的に進めてまいらなければならないと考えております。

また、国際的イベントなどに伴い来日する外国人はもとより、入管法改正で新たに創設された特定技能制度により今後、増加が見込まれる外国人が日常生活を相談できる場づくりや、外国人材の受入れ・共生環境の整備も必要になってまいります。

一方、本市におきましては、これまでの社会減に加えて自然減による人口減少が続く中、様々な課題に対応しつつ、10年、20年先を見据えた、誇りと愛着が持てるまちづくりに向け、新たな指針となる「門真市第6次総合計画」を策定し、今年はそのスタートになる年でございます。

第6次総合計画では、まちの将来像を「人情味あふれる 笑いのたえないまち門真」とし、基本計画では、12の分野ごとの取組を基本施策として示し、それぞれの分野におきまして、市民の皆様にも市政運営の進め方がわかりやすい計画としております。さらに、「門真市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の目標も包含し、SDGsや2025年問題に関連する施策も示すなど、課題に対する取組も見える化しております。

また、第6次総合計画を着実に実行していくため、先の議会でご承認賜りました門真市事務分掌条例をもとに4月に機構改革を実施いたします。新たな機構のもと、社会教育施設を拠点とした地域の連携強化やにぎわいの創出、学力の向上、ごみ処理の広域化、2025年問題等の行政課題に対し、多様な主体の参加により、これまでの「協働」から更に進めた「協働・共創」の視点、すなわち「協働」に加え、大学や企業等と連携し、共に課題設定を一から考え、解決策の検討・実践することにより、新たなまちの価値の創造等に取り組む「共創」の視点も持って、対応してまいります。

計画期間の10年間には、本市を取り巻くまちの状況が、大きく変化してまいります。松生町の大手企業工場跡地や古川橋駅北側など、市域の至るところで大規模なまちづくりや住宅の整備が見込まれ、大阪モノレールや淀川左岸線の延伸の決定により、更なる交通利便性の向上が期待されます。

これらの変化はまちの発展にとって大きな可能性を秘めており、本市の将来を展望し、大阪全体の潮流や方向性を的確に見定めつつ、広域的な視点を持って、快適な住まい環境づくりを進めてまいります。

本市の財政状況に目を向けますと、経常収支比率は平成30年度決算で103.3%であり、財政構造の弾力性は、依然として厳しい結果となっておりますが、「時代の変化と多様なニーズに対応しうる組織文化の確立」と「成長と健全化が両立しうる財政基盤の構築」の実現を目指す必要があることから、平成30年度に策定いたしました門真市行財政改善アクションプラン「スマートBiz★かどま」の取組を積極的に進めており、常に業務改善を行いながら、当たり前の職務レベルを上げ、少人数でもチャレンジ精神を持って効率的に業務が行える組織づくりに努めているところであります。

これらの取組を進めるとともに、将来の投資的な施策への財源をしっかりと確保するため、令和2(2020)年度の予算編成におきましては、一般財源削減目標額を5億円として、収支改善に取り組み、財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算を実現したところであります。

市の新たな将来像である「人情味あふれる 笑いのたえないまち門真」の実現に向け、市民の皆さまと一緒になって課題に取り組み、門真市に住んでよかった、住み続けたいと実感していただけるよう、全力をあげて市政運営に取り組んでまいります。

それでは、総合計画基本計画の分野ごとに令和2(2020)年度に取り組む主な施策について、ご説明申し上げますが、私の市長としての残任期間を踏まえ、経常経費と継続事業を中心とした骨格的予算編成としておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

子育て分野

はじめに「子育て分野」について申し上げます。

みんなで支え合う子育て環境づくりについてであります。

全国に先駆けて実施しております「子どもの未来応援ネットワーク事業」につきましては、今後も継続的に実施し、子どもたちが生まれながらの環境によって将来が左右されることのないよう企業・団体と連携し、必要な支援を行ってまいります。

次に、就学前教育・保育の充実についてであります。

2年度は、本市独自の保育士等確保策として元年度より実施している保育士等就労奨励金の支給を継続するとともに、副食費無償化の対象を私学助成の幼稚園に通う年収360万円未満相当世帯及び全ての世帯の第3子以降まで拡充し、更に子育てしやすい環境づくりを推進してまいります。

さらに、女性の社会進出や就労形態の多様化により、保育ニーズが変化してきている中、保護者の就労等により、家庭で保育できない病気や病気の回復期の児童を預かる病児・病後児保育事業の拡充を行い、子育てと就労の更なる両立支援を図ります。

次に、公立園の最適化についてであります。

「公立園最適化検討委員会」からの最終答申の内容等を踏まえ、3月末を目途に、将来を見据えた公立園の役割や適正な配置を示した「公立園最適化基本方針」を策定予定であり、今後は本方針を基に、公立園の再編に向けて取り組んでまいります。

また、「門真市ひとり親家庭等自立促進計画」を統合した「門真市第2期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、質の高い教育・保育を受ける環境整備に努めるとともに、ひとり親家庭を含めた妊娠・出産期から子育て期までの切れ目ない支援を包括的に実施し、すべての家庭が安心して子どもを産み育てることができるよう、地域全体で子どもを育てるまちを目指し、取り組んでまいります。

教育分野

次に「教育分野」について申し上げます。

学校教育の推進についてであります。

令和2(2020)年度から5・6年生での外国語科、3・4年生での外国語活動、プログラミング教育等が実施されるなど、新しい教育がスタートします。門真の子どもたちが将来にわたって多様な個性・能力を生かして、自立した人間として生きていけるよう、その基盤となる学力の向上に努め、3年後を目途に全国学力学習状況調査での全国平均超えを目指してまいります。

こうした新たな教育の流れを踏まえ、本市におけるこれからの中長期的な教育の課題と展望を明らかにし、計画的に教育施策を展開するため、「第2期門真市教育振興基本計画」の策定に取り組んでまいります。

加えて、門真の児童生徒が将来の夢を持ち、自己実現を果たせるよう、キャリア教育の推進、大学等との連携を一層進めてまいります。また、新しく始まるプログラミング教育の環境整備に努め、企業等とも連携を図り、より充実した取組を進めてまいります。

また、平成31年1月に中央教育審議会より学校における働き方改革に関する答申が出されました。本市においても喫緊の課題となっており、小中学校におけるスクールサポートスタッフの配置を引き続き行うとともに、児童生徒に向き合える時間を増やし、効果的な教育活動ができるように、学校における働き方改革の取組を進めてまいります。

次に、学校施設と教育環境の充実についてであります。

学校施設の充実については、安全・安心で衛生的な学校施設の整備に向け、トイレ等の改修をはじめ、給食棟の空調設備の設置の対応などに取り組んでまいります。

次に、水泳授業民間活力導入検討事業についてであります。

市内スイミングスクールや公営プールの設備、インストラクターなどの民間資源を活用した水泳授業につきまして、2年度は、試行的に小学校1校、中学校1校において実施してまいります。

次に、GIGAスクール構想推進事業についてであります。

国が進めておりますGIGAスクール構想の実現に向け、市内全小中学校で、高速かつ大容量の校内通信ネットワークを構築するとともに、すべての児童生徒が端末を活用できるよう、学校のICT環境の整備を計画的に進めてまいります。

次に、学校適正配置事業についてであります。

現在、「第4次門真市学校適正配置審議会」におきまして、門真のこれからの学校づくりにつきまして、様々な議論がなされているところであります。今後予定される審議会の答申を踏まえ、学校適正配置実施方針の策定に取り組むとともに、地域や学校と共に、これからの時代にふさわしい学校のあり方についてさらなる検討を進めてまいります。

健康管理分野及び福祉分野

次に「健康管理分野」及び「福祉分野」について申し上げます。

生涯を通じた健康づくりと病気の予防対策についてであります。

乳児における初感染時の重症化や合併症が懸念されているロタウイルス感染症について、予防接種法施行令の改正に基づき、10月より定期接種として実施してまいります。

次に、健康保険制度の適正な運営についてであります。

国民健康保険制度につきましては、糖尿病性腎症重症化予防事業など保健事業の充実、医療費適正化対策の推進により、安定的な事業運営に努めてまいります。

また、本市の国保会計が抱える累積赤字につきましては、年々着実に減少させてきたところであり、引き続き収納率の向上による歳入の確保と歳出抑制に努め、計画的に累積赤字の解消を図ってまいります。

次に、地域福祉の推進についてであります。

門真市第3期地域福祉計画が3年度に終期を迎えることから、誰もが役割を持ち、地域をともに創っていく地域共生社会の実現を目指し、第4期計画の策定に向け、市民ニーズ調査に着手いたします。

次に、高齢者への支援についてであります。

第7期高齢者保健福祉計画が2年度に終期を迎えることから、市民ニーズ調査の実施や審議会での議論等を踏まえ、新たに3年度から3ヵ年を計画期間とする「第8期高齢者保健福祉計画」を策定してまいります。

また、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯・認知症高齢者など、支援が必要な高齢者の増加が見込まれることから、見守り協力体制の充実をはじめ、くすのき広域連合実施の介護予防施策に加えて民間事業者等との連携による健康教室等を実施するなど、健康寿命の延伸に向けたさらなる取り組みを進めてまいります。

介護保険事業につきましては、くすのき広域連合において引き続き実施し、保険料徴収につきましては、広域連合と密に連携し進めてまいります。

次に、障がい児(者)等への支援についてであります。

「門真市第3次障がい者計画」及び「門真市第5期障がい福祉計画・第1期障がい児福祉計画」が2年度に終期を迎えることから、引き続き「門真市第4次障がい者計画」及び「門真市第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」の策定に取り組み、障がい者等やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、施策の充実を図ってまいります。

次に生活保護と自立支援についてであります。

平成29年8月より短縮年金が制度化され、更に、消費税増税に伴い年金生活者支援給付金が創設されたことから、生活保護受給者の年金受給資格の確認等を実施するため、有資格者の専門職を配置し、適切な給付に努めてまいります。

まちづくり分野

次に「まちづくり分野」について申し上げます。

まず、安全・安心のまちづくりについてであります。

安全・安心で快適な暮らしができるまちをつくるため、3年度に終期を迎える「門真市都市計画マスタープラン」を改定するとともに「門真市立地適正化計画」の評価・見直しを行ってまいります。

次に、密集市街地整備事業の推進についてであります。

本市北部地域の密集市街地のうち、地震時等に著しく危険な密集市街地においては、引き続き、土地区画整理事業や優先主要生活道路の整備、延焼遮断空間の確保及び除却補助制度を活用した老朽木造住宅等の除却等により、まちの不燃化に向けた取組を一層推進してまいります。

さらに、泉町・松葉北地区では、地権者等の意向把握に努め、事業手法の確立に向けた推進調査等を進めてまいります。

次に駅周辺地区のまちづくりの推進についてであります。

古川橋駅北側の幸福町・垣内町地区の旧第一中学校跡地では、令和6(2024)年度のまちびらきをめざし、本市の顔となる魅力的で質の高い「賑わいと交流の場」となるよう、引き続き、住宅市街地総合整備事業を活用し、道路や交流広場等の公共施設整備を進めるとともに、地域の再生や賑わいの創出などを実現するため、エリアマネジメントを推進するなど積極的に取り組んでまいります。

門真南駅周辺地区につきましては、引き続き、まちづくり勉強会において、駅周辺の低未利用地の有効活用を検討するなど、駅周辺の賑わいと交流の場の創出に向けた取組を推進してまいります。

次に、第二京阪道路沿道まちづくりの推進についてであります。

北島東第2地区では、第二京阪道路を活かして新たな都市機能を誘導し、計画的な土地利用を進めていくため、引き続き、土地区画整理準備組合への支援を行ってまいります。

次に、快適な住まい環境の充実についてであります。

大地震から市民の生命と財産を守るため、引き続き「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」に基づき、建物所有者に対し耐震化の重要性等について周知啓発を積極的に行い、耐震診断や耐震改修等の補助制度の活用を促し、建築物の耐震化の促進に努めてまいります。

また、老朽建物の倒壊等による事故を未然に防止するため、所有者による適正管理の促進を図るとともに、耐震性の劣る木造住宅の建替え促進及び保安上危険な老朽住宅等の除却に係る補助制度を引き続き行ってまいります。

次に、市営住宅維持管理事業についてであります。

耐震性が不足している新橋市営住宅(1期)につきましては、引き続き移転を希望する入居者との調整を進めるとともに、門真プラザの再整備に必要な調査を実施し、他の区分所有者の意向把握や調整を行うなど、再整備に向けた取組を進めてまいります。

また、門真住宅につきましては、入居者の安全を早期に確保するため、引き続き第3期建替事業を推進してまいります。

次に憩いの場の充実のうち、公園施設の長寿命化についてであります。

遊具をはじめ多くの施設の老朽化が進行していることから、公園施設長寿命化計画に基づき、効果的に更新・改修を実施し、市民の皆様が快適に公園を利用していただけるよう公園管理に取り組むとともに、誰もが安心して憩える場の確保に努めてまいります。

次に、大和田駅前広場の整備についてであります。

大和田駅前につきましては、引き続き公共交通の結節点にふさわしい利便性の高い駅前広場の整備に向けた調査業務や地権者との交渉を進め、早期の駅前広場の整備に努めてまいります。

次に、地域公共交通ネットワークの構築についてであります。

現在、大阪モノレールは大阪府等により着々と南伸事業が進められております。本市としましても、市民の更なる利便性向上や、周辺地域の発展を促すべく、門真市駅から(仮称)門真南駅間における新駅の設置について予備設計に着手しており、守口市をはじめとする関係者と協力しながら、引き続き、事業の実現に向け具体的な検討を進めてまいります。

次に、公共交通の結節点と周辺整備についてであります。

今後発生すると予想される大規模地震に備えるため、京阪電鉄萱島駅への耐震補強工事に補助を行い、安全性の確保が早期に図られるよう、鉄道事業者を支援してまいります。

次に快適な道路環境の形成についてであります。

本市が管理する道路及び橋りょうの老朽化が進行していることから、引き続き計画的な修繕を行い、市民の皆様が安心して道路を通行できるよう取り組んでまいります。

環境分野及び上下水道分野

次に「環境分野」及び「上下水道分野」について申し上げます。

まず、地球環境保全についてであります。

循環型社会の形成と低炭素社会の構築に向け、「門真市一般廃棄物処理基本計画」に基づき、ごみの減量化やリサイクルの推進等に取り組んでまいります。

次に、生活環境保全についてであります。

「門真市路上喫煙の防止に関する条例」に基づき、人通りが多い駅前周辺を路上喫煙禁止区域に指定し、喫煙者のマナー、モラルの向上及びまちの環境美化意識の高揚を図ってまいります。

次に、快適に暮らせる生活基盤の整備についてであります。

本市のごみ焼却施設につきましては、老朽化が進んでいることから、安定的かつ効率的なごみ処理体制を確保すべく、本市にとって最適な基幹改良工事及び施設の延命化後のごみ処理のあり方、スケールメリットを生かした将来のごみ処理の広域化等について、大阪広域環境施設組合並びに構成各4市の協力を得ながら検討を進めてまいります。

次に、上水道施設の基盤強化についてであります。

上水道事業につきましては、災害時においても強靭かつ安定した水の供給が図れるよう「門真市水道事業ビジョン」に基づき、引き続き老朽化した配水管の更新を計画的に進めるとともに、同様に経年劣化が進んでいる泉町浄水場の水道施設の更新に着手してまいります。

次に、下水道施設の基盤強化についてであります。

公共下水道事業につきましては、早期概成をめざし、引き続き中部排水区及び西部排水区を中心とする整備を計画的に進め、総合地震対策計画に基づく重要な管渠等の地震対策及びストックマネジメント計画に基づく計画的な点検・調査を実施し、効率的な改築・更新に取り組んでまいります。

また、将来にわたり安定的な上下水道事業の経営基盤を構築するため、「上下水道事業経営審議会」からの意見及び答申を踏まえた水道料金及び下水道使用料の適正化に取り組んでまいります。

地域振興分野及び産業振興分野

次に「地域振興分野」及び「産業振興分野」について申し上げます。

まず、地域会議についてであります。

設立済みである第五、第三、第七中学校区につきましては、それぞれの地域における課題を引き続き市との協働により解決を図ってまいります。また、未設立の校区につきましても、自治会を中心に地域の皆様と協議を重ねながら、設立に向けた取組を進めてまいります。

次に、ふるさと門真まつりについてであります。

令和最初の開催となった第3回ふるさと門真まつりは、市内の中・高生や大学生、関連企業等、多方面からボランティアや協賛、寄付等多種多様な支援をいただき、過去2回を上回る市民の方々にご参加いただきました。

2年度におきましても、ふるさと門真まつり実行委員会とともに、市と市民、各種関係団体、学校、企業等が一体となった、多くの人々をつなぐ「まつり」を目指してまいります。

次に、市民公益活動と協働・共創の促進についてであります。

市民公益活動支援センターを核に、NPO法人やボランティアに取り組む個人、団体への情報提供やマッチングを図るとともに、活動の継続性や波及性を高める取組についても、連携を図りながら進めてまいります。

次に、複雑化する消費者被害への対応についてであります。

高齢者等を狙った特殊詐欺被害の未然防止に有効な特殊詐欺等被害防止機器の無償貸与を拡充するとともに、門真市消費者安全確保地域協議会において関係機関との協働による見守り活動を実施するなど、消費者被害の未然防止と拡大防止に向けた取組を推進してまいります。

次に、平和と人権の尊重についてであります。

市民の皆様が人権意識を高め、互いの多様性を認め合い、一人ひとりの人権が尊重される平和な社会が実現するよう、人権相談などによる人権擁護に努めるとともに、門真市人権尊重のまちづくり審議会の意見を踏まえながら、門真市人権教育・人権啓発推進基本計画の改定に向け人権課題等に関する市民意識調査に取り組んでまいります。

また、活力ある社会を維持するため、男女が多様な生き方を選択しながら、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現が必要であることから、引き続き総合的かつ計画的に男女共同参画施策を推進するとともに、女性活躍支援にも努めてまいります。

次に、地域産業の強化と発展についてであります。

市内ものづくり企業の更なる発展のため、工場などの生産現場を公開し、企業の持つ生産技術をアピールする事で、新たな取引の創出等を目指す、企業向けオープンファクトリーを実施するとともに、将来的な産業観光の基盤づくりともなるよう機運の醸成に努めてまいります。また、中小企業サポートセンターによる経営相談を核としながら、ものづくり企業立地促進制度や先端設備等導入に対する固定資産税の特例措置を引き続き実施し、市内企業の経営基盤の強化に努めてまいります。

次に、就労支援と雇用促進についてであります。

元年度に引き続き、女性が働きやすい職場環境の整備に対する事業所への補助を実施するとともに、地元企業と求職者をマッチングする就職説明会を守口市と合同で実施してまいります。

地域教育振興分野

次に、地域教育振興分野について申し上げます。

まず、地域教育環境の充実についてであります。

生涯学習複合施設につきましては、基本コンセプトである「地域とともにコミュニティを育む文化・学習の交流拠点」をめざし、同施設の建設にあたっての基本設計業務に着手してまいります。

また、生涯学習複合施設における新図書館においては、賑わい創出によるまちづくりにも寄与できるよう、現在の図書館行政や図書館サービス計画の継承・発展を図るとともに、計画段階から専門的な観点を取り入れるため、早期に現図書館への指定管理者制度の導入を進めてまいります。

次に、暮らしに息づく文化芸術の推進についてであります。

文化芸術に係る市民の自主的な活動と、身近に感じることができる環境の実現により、門真らしさの溢れる文化芸術が育まれるよう、本市が文化芸術を推進するにあたり目指すべき姿等を示す「(仮称)門真市文化芸術推進基本計画」を策定してまいります。

また、大規模改修のために1年間休館しておりました門真市民文化会館ルミエールホールが4月にリニューアルオープンし、利便性と快適性が向上した、安全・安心で人にやさしい施設に生まれ変わります。

今後は、大きく設備・機能が強化されたルミエールホールを中心に、市民の主体的な文化芸術活動のさらなる活性化を促進するとともに、より魅力的な文化芸術にふれる機会の充実を図ってまいります。

次に、市民スポーツの振興についてであります。

7月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、市民のスポーツへの関心は一層高まるもの考えております。

4月には、同オリンピック聖火リレーが本市を通過することから、市内スポーツ団体等により結成されました門真市東京2020オリンピック聖火リレー事業実行委員会と協働にて事業を企画・運営することで、市のPRとともに、市民のスポーツ活動に参画する機運を高めてまいります。

危機管理分野

次に「危機管理分野」について申し上げます。

まず、危機管理と災害時対策についてであります。

元年に発生した九州豪雨をはじめ、台風第15号、台風第19号などの風水害を教訓に、より早い段階から先を見越した対応が必要であり、「門真市版寝屋川流域大規模水害タイムライン」の策定に取り組んでまいります。

また、大規模自然災害に備えるため、事前防災・減災と迅速な復旧復興に資する施策の総合的・計画的な実施が必要となることから、国土強靭化地域計画を策定してまいります。

次に、市民の危機管理意識の向上についてであります。

南海トラフ巨大地震などの大規模な自然災害の発生が懸念されており、自助、共助の意識醸成を図る必要があることから、引き続き地域での防災講話をはじめ、自主防災活動に対する支援を進めるとともに、避難行動に意識を置き、地域の防災意識の向上に努めてまいります。

また、現在本市では、安全・安心なまちを目指し、元年度から3年間を計画年度とする「門真市防犯対策アクションプラン改定版」に基づき、さらなる防犯カメラの増設や、LED型防犯灯への取替え等を進めているところであり、引き続き地域・警察との連携による防犯対策を推進してまいります。

次に、消防・救急医療体制の充実についてであります。

大規模災害時には、火災や救助事案が同時多発的に発生することが予想され、地域防災の中核である消防団員に対する安全装備品の配備が必要であることから、引き続き計画的に安全装備品を配備するとともに、守口市門真市消防組合と連携した火災予防啓発活動等を実施し、消防力の充実強化を推進してまいります。

行政管理分野

次に「行政管理分野」について申し上げます。

まず、効率的・効果的な行政運営についてであります。

住民サービスの向上や業務効率化の観点から、今後、業務システムの刷新に合わせたAIやRPAといった最新のICT技術の全面的な導入を積極的に検討してまいります。

また、IoT、ビッグデータなど、超スマート社会を支える基盤技術がますます加速していくことが予想されるため、その動向に注視してまいりたいと考えております。

次に、「門真市行財政改善アクションプラン スマートBiz★門真」についてであります。

平成30年度に策定した行財政改善アクションプランにつきましては、持続可能な行財政運営の実現に向けてこれまで積極的に推進してきたところでありますが、2年度が終期となることから、安定的な行財政運営を実現していくため、恒常的に改善し、進歩していく組織体制の確立に向けて、引き続き取り組んでまいります。

次に、財政運営についてであります。

近年、緩やかな景気回復が続いている中で、市税等の収入は増加傾向にあるものの、依然として経常収支比率が100%を超える状況が続いており、本市の財政状況は極めて硬直化しております。

また、今後予測される大規模な自然災害等の不測の事態に対応しつつ、安定した行政サービスを提供していくための財源として、必要となる財政調整基金の保有額の確保に努めていかなければなりません。

しかしながら、平成30年度決算では、「大阪北部を震源とする地震」及び「台風第21号」による被害の復旧に多額の経費を要したこともあり、財政調整基金の残高が減少し、門真市健全な財政に関する条例に規定する財政健全化の条件に抵触しかねない状態となっておりました。

こうした現状を打開するため、2年度当初予算編成におきましては「門真市行財政改善アクションプラン」の積極的な推進とあわせて、徹底的な事業の見直しを行うことで、2年度におきましては、平成22年度以来10年ぶりに「財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算」を編成することができました。

これは、本市の「健全で持続可能な財政状況の実現と継続」の礎となるものであり、今後も継続的に収入と支出がバランスの取れた予算編成を実現していくことで、財政調整基金の確保をはじめとした強固な財政基盤を構築し、かねてより申し上げております「まちの成長」と「財政の健全化」の両立を目指してまいります。

次に、シティプロモーションによる定住促進についてであります。

本市が、住みたい、住み続けたいまちとして選ばれ続けるには、本市の様々な魅力を市内外のあらゆる世代の皆さまに知っていただくことが重要であり、3月末を目途に策定する「門真市シティプロモーション基本方針」に基づき、SNSなども活用した効果的な情報発信に努めるとともに、鉄道事業者と連携するなど、積極的かつ戦略的なシティプロモーションを展開してまいります。

次に、公共施設の適正管理についてであります。

市民ニーズに対応した改修や建替えを行い、適切な管理運営を進めるため、施設総量や管理運営に関する考え方をまとめた「門真市公共施設等総合管理計画」に基づき取り組んでまいりましたが、今後は公民連携を積極的に取り入れるとともに、財政負担の軽減、平準化を図りながら、公共施設の有効活用とともに、魅力向上も加味した公共施設マネジメントについて、総合的な観点から検討してまいります。

むすびに

以上、令和2(2020)年度に取り組む施策の一端について申し上げました。

令和2(2020)年度予算につきましては、先ほど申し上げましたとおり骨格的予算といたしたところでありますが、市営門真住宅の建替事業や密集市街地整備事業等を継続的にかつ重点的に取り組んでいることから、一般会計約622億円、また、国民健康保険事業特別会計ほか5事業会計をあわせまして、総額約937億円としたところであります。

財政状況は引き続き厳しい状態ではありますが、決して緊縮的になるのではなく、様々な課題の解決に向けた積極的な投資を行うため、財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算を維持しつつ、まちを成長させていかなければなりません。

むすびになりますが、昨年のラグビーワールドカップでは、日本チームが一丸となって戦っている姿が感動を呼び、ブームが起こりました。真剣に物事に取り組んでいる姿に人々が共感し、心を動かすのだと感じたところです。

私を含め、市役所もワンチームとなり、真摯に市民の皆さまとともに手を携えながら、顔の見える関係、人間関係を築き、子どもを真ん中においた地域の発展につなげてまいりたいと考えておりますので、何とぞ議員並びに市民の皆さま方のなお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、以上、令和2(2020)年度の施政方針といたします。

長時間にわたりご清聴賜りまことにありがとうございました。何卒、よろしくお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部 企画課 本館3階
〒571-8585 大阪府門真市中町1-1
電話06-6902-5572
メールフォームによるお問い合わせ