令和5(2023)年度施政方針

更新日:2023年02月27日

はじめに

まず、新型コロナウイルス感染症につきましては、これまで国において、オミクロン株の特性を踏まえた感染症法上の取扱いの見直しをされており、特段の事情が生じない限り、5年5月8日から新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類に位置付ける方針とされました。

本市においても、4年度には、ふるさと門真まつりを2部入れ替え制などの感染予防対策を講じつつ、3年ぶりに開催することができ、大人もこどもも世代を越えた笑顔あふれるまつりとなりました。引き続き、市民の皆さまには感染症対策へご理解ご協力をお願いしながら、国の動きに合わせたウィズコロナの取組みをさらに進め、徐々にコロナ前の日常を取り戻してまいりたいと考えております。

さて、経済状況に目を向けますと、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いております。その一方で、世界的なエネルギー・食料品等の価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による景気後退懸念など、日本経済を取り巻く環境は厳しさが増しております。

こうした中、国においては「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を策定され、世界経済の減速リスクを十分に視野に入れつつ、足元の物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応し、新しい資本主義の加速により日本経済の再生に取り組まれておるところであります。

また、大阪府においては、「令和5(2023)年度は、新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対策を着実に進め、困難を乗り越えるとともに、開催まで2年に迫った2025 年の大阪・関西万博のインパクトを最大限に活かし、さらなる大阪の成長・飛躍に向けた土台づくりに果敢に挑戦する年」との考えから、「感染症への対応」、「くらしを支えるセーフティネットの充実」、「大阪経済の回復」、「万博成功に向けた取組みの加速」、「万博をインパクトにした新たな価値の創造・未来への投資」を推進することが示されております。

本市におきましても、国や府の動向を見据えながら、実情に応じた新型コロナウイルス感染症対策に取り組むとともに、民間事業者のアイデアやノウハウも活用し、「地域に根差した子育て・教育施策の充実」、「産業の振興と身近で働ける場の創出」、「まちづくりの推進による快適な住まい環境の整備」を推進してまいります。

さて、本市は5年8月1日に市制施行60周年を迎えます。

市制施行60周年を記念して、市民・各種団体等の皆さまに企画いただいた事業をはじめ、様々な記念事業を実施し、市民の皆さまと喜びを分かち合い、誇りと愛着を高めるとともに、門真市内外のファンを増やすため、市制施行60周年を盛り上げてまいります。

また、4月には松生町に三井ショッピングパークららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真がオープンし、さらにコストコホールセールも夏頃にオープンすることが予定されており、市内外から多くの人が訪れる活気あふれるまちになることが期待されますが、周辺道路の交通渋滞も懸念されるため、交通安全対策の強化を行ってまいります。

5年は、これまで取り組んでまいりました(仮称)市立生涯学習複合施設の建設や第四中学校区の義務教育学校の建設に向けた脇田小学校の砂子小学校敷地への移転など目に見えて変化する年でございますが、本市がさらに飛躍するためには、足元にある課題も着実に解決していく必要があると考えております。

具体的には、国においても議論されている妊娠、出産、子育てなどライフステージごとのニーズに応じた取組及び少子化対策、行政手続のオンライン化等の推進、健康寿命の延伸、駅前のまちづくり、中町地区の庁舎と防災機能を有する公園の整備、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組、老朽化が進む公共施設の在り方の検討、予測不能な社会を生き抜く力を身につけるための児童生徒の学力向上の取組などがございます。

これらに対応するため、また、複雑・多様化する市民ニーズに的確かつ持続的に応えていくためには、これまで以上に、市内外を問わず民間事業者の力を活用することが極めて重要であると考えており、大阪府公民戦略連携デスクとの連携や大阪スマートシティパートナーズフォーラムにおける民間企業との共創の取組も含め、公民連携の取組を進めてまいりたいと考えております。また、2025年日本国際博覧会協会が掲げるTEAM EXPO 2025プログラムにおいても、民間団体等が行う共創チャレンジを本市も共創パートナーとして支援しながら、この取組を推進しつつ、開催まで2年に迫った大阪・関西万博の機運醸成にも努めてまいりたいと考えております。

様々な課題を解決していくにあたり、将来の投資的な施策への財源をしっかりと確保するため、5年度当初予算編成におきましても「財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算」を継続したところであり、さらにまちの魅力を高め、市内外から関心を持ってもらえるまちづくりを進め、市民の皆さまと一緒になって門真市第6次総合計画の「まちの将来像」で掲げている「人情味あふれる!笑いのたえないまち 門真」の実現に向け、全力をあげて市政を運営してまいります。

それでは、総合計画基本計画の分野ごとに5年度に取り組む主な施策について、ご説明申し上げます。

子育て分野

はじめに、「子育て分野」について申し上げます。

まず、みんなで支え合う子育て環境づくりについてであります。

支援対象児童等見守り強化事業においては、4年度に学校等での見守りが特に希薄になる夏休み期間に、ひとり親家庭を訪問したことで、支援の必要な家庭の早期発見・早期支援に繋がったことから、引き続き対象世帯数を拡充したうえで実施してまいります。

次に、子育て世帯への支援についてであります。

子育て世帯に対する包括的な相談支援のため子育て支援課に統括支援員を配置し、児童福祉と母子保健の横断的かつ一元的なマネジメント体制を構築することにより連携強化を図ります。

次に、公立園の最適化についてであります。

4年9月に策定した「門真市公立園最適化基本計画」に基づき、北部地域の公立園については、大和田幼稚園の現園舎を活用して上野口保育園と大和田幼稚園を統合した幼保連携型認定こども園の8年4月開設をめざしてまいります。

次に、こども発達支援センターの指定管理者制度の導入についてであります。

4年12月に指定管理者に指定された事業者と引き続き協議を進め、6年4月より指定管理者による運営が円滑に開始されるよう努めてまいります。

次に、就学前教育・保育の充実についてであります。

全国的に不足する保育士等の安定的な確保・定着を促すために、本市独自の保育士等定着支援事業給付金の実施及び市内の民間保育所等に勤務する市内在住保育士等の0歳から2歳児の保育料を無償化し、新規採用者の確保、既存の保育士等の就業継続を支援してまいります。

また、4年度から補助対象をすべての1号認定児及び2号認定児に拡充した保育所等給食費補助事業について、引き続き、月額4,500円を上限に副食費を補助し、保護者負担を軽減することで、子育てと就労のさらなる両立支援を図ります。

教育分野

次に、「教育分野」について申し上げます。

まず、学校教育の推進についてであります。

「門真市学力向上アクションプラン」における取組が3年目を迎えるにあたり、5年度全国学力学習状況調査の結果等を踏まえ、この間の取組についての効果検証を行うとともに、引き続き、さらなる学力向上の取組を着実に行ってまいります。

あわせて、4年度に策定した「門真市キャリア教育指針」に基づき、一人ひとりの子どもたちが夢を持って将来を切り拓くために必要な力を育成してまいります。

生徒指導におきましては、誰一人取り残すことなく子ども達を見守り、かけがえのない命を守っていくために、LINE等を活用した子どもが利用しやすい相談体制の充実や様々な専門家等と連携し、SOSの出し方・受け取り方やスマホ・SNS関連の研修の実施など、国の交付金活用も含め、検討してまいります。また、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援教育につきましても、通級指導教室の拡充や支援教育支援員の増員等により、一層の充実を図ります。

部活動地域移行におきましては、まずは希望する中学校に部活動指導員を配置し、生徒への技術的指導、生徒のバランスの取れた心身の成長を促すとともに、教職員の部活動による負担の軽減を図ってまいります。また、各種団体との連携を図り、本市の実情に即した地域移行のあり方についても検討してまいります。

次に、学校施設と教育環境の充実についてであります。

急激な物価高騰に伴う給食費の値上げ分に対し、財政措置をとることで保護者負担の軽減を図るとともに、学校給食費無償化の実現に向けた道筋を明らかにしてまいります。また、教育環境の充実を図るため、中学校体育館にLED照明設備を設置するための実施設計を行うとともに、安全・安心で衛生的な給食を提供するために引き続き小学校給食棟に空調設備の設置を行ってまいります。

次に、学校適正配置推進事業についてであります。

まず、第四中学校区につきましては、6年度の小学校統合に向けて、脇田小学校を砂子小学校敷地へ移すとともに、義務教育学校は実施設計業務に着手し、8年度開校に向け、引き続き取り組んでまいります。

併せて、四宮小学校・北巣本小学校の統合につきまして、地域住民・保護者や学校関係者などによる議論の場を新たに設置し、具体的な議論・検討を進めてまいります。

また、市内全ての学校において魅力ある学校づくりをさらに進めるため、新たに学校適正配置審議会を立ち上げ、再編も含めた学校配置の議論を進めてまいります。

次に、教育ICT環境整備についてであります。

4年度に整備いたしました校務支援システムの利用を開始し、教職員の業務の効率化とともに情報の一元化・共有化を進め、児童生徒の個に応じた教育の充実を進めてまいります。

次に、水泳授業民間活力導入検討事業についてであります。

4年度の試行実施では、施設での授業実施について一定見通しが立ったことに加え、実施校でのアンケート結果で、児童生徒、保護者、教職員から概ね好評であることから、本格実施に向けて5年度は対象校を拡充し、さらなる教育の質の向上に取り組んでまいります。

健康管理分野及び福祉分野

次に、「健康管理分野」及び「福祉分野」について申し上げます。

まず、母子保健の充実についてであります。

出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図るため、妊婦・子育て世帯等を対象に出産・子育て応援給付金を支給し、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型支援のさらなる充実を図ってまいります。

また、出産後間もない時期の産婦に対する産婦健康診査の費用助成並びに、支援が必要な産婦を対象とする産後ケア事業について、新たに居宅訪問型による支援を開始いたします。

これらにより産後間もない母子への適切な支援等を強化し、引き続き安心して子育てできる切れ目ない支援に取り組んでまいります。

次に、健康保険制度の適正な運営についてであります。

引き続き歳入確保及び歳出抑制の取組を進めることにより安定的な事業運営に努めるとともに、アスマイルを活用し歩数や健診受診等に対して市独自ポイントを付与することで、被保険者の健康意識の向上と継続的かつ自発的な健康づくり活動の促進を図り、医療費の適正化及び健康寿命の延伸につなげてまいります。

また、高齢者の保健事業については、介護予防との一体的な実施により、対象者の状態を包括的に把握したうえで個別的支援を行うハイリスクアプローチ及び地域において、フレイル予防などの健康教育等を実施するポピュレーションアプローチに取り組んでまいります。

次に、高齢者への支援についてであります。

「介護保険事業計画」と「高齢者保健福祉計画」が一体的となった第9期事業計画の策定に取り組むとともに、6年度からの市単独での事業実施に向け、引き続きくすのき広域連合並びに関係市とともに連携を図り、関係機関等と円滑に運営できるように準備してまいります。

また、認知症対策として、東和薬品株式会社等の協力を得て、健康アプリ等を活用した認知症予防プログラムを実証することにより、認知機能低下の早期発見及び予防に向けた公民連携プロジェクトを進めてまいります。

次に、障がい児(者)等への支援についてであります。

「門真市文化や情報とふれあう手話言語条例」を5年4月1日に施行し、「手話は言語である」という認識のもと、新たに取り組む手話講習会や動画作成等により市民が手話に接する機会を広げ、手話言語やろう者に対する理解を促進する機運を醸成してまいります。

また、「門真市第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」が5年度に終期を迎えることから、障がい者等のニーズ把握等を踏まえ、障がい者等やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、次期計画の策定に取り組んでまいります。

まちづくり分野

次に、「まちづくり分野」について申し上げます。

まず、まちの顔づくりについてであります。

駅周辺地区のまちづくりの推進につきましては、門真市駅・西三荘駅周辺地域では、市民や地権者、地元事業者の方々と共に、まちづくり活動を行うためのプラットフォームの立ち上げやエリアの未来ビジョン策定に取り組むなど、エリア価値向上を目指して、公民連携によるまちづくりを進めるとともに、本市の顔として、まちの賑わい創出等を図る都市機能を誘導するため、引き続き門真市駅前地区市街地再開発準備組合への支援を行ってまいります。

さらに、古川橋駅周辺地区につきましては、エリアの未来ビジョンに基づくエリアマネジメント活動やまちなかウォーカブル推進事業を進め、エリア価値の向上や持続可能で魅力あるまちづくりを実現してまいります。

本市北部地域の地震時等に著しく危険な密集市街地につきましては、5年3月末時点で幸福町、垣内町、上島町及び城垣町の約45ヘクタールが解消となる見込みであります。残りの区域につきましても、引き続き「密集市街地整備アクションプログラム」に基づき、面整備事業や優先主要生活道路の整備並びに老朽木造建築物等の除却など解消効果の大きい事業を重点的かつ計画的に推進してまいります。

また、泉町・松葉北地区の旧北小学校跡地周辺につきましても、引き続き地域住民等が参画する公民連携の取組を進めるとともに、市有地を有効活用した面整備事業により安全・安心なまちづくりを実現してまいります。

第二京阪道路沿道まちづくりの推進につきましては、北島西・北地区において、計画的な土地利用を進めていくため、引き続き土地区画整理調査等を行い、早期事業化を目指すとともに、北島東第2地区のまちびらきに向けた支援を行ってまいります。

庁舎エリアの整備につきましては、現在、門真市庁舎エリア整備審議会におきまして、基本構想の策定に関し、基本的な整備方針や機能及び規模等についてさまざまな議論がなされているところであります。

今後予定される審議会の答申等を踏まえ、5年度に基本構想を策定するとともに、メインコンセプトである「みんなで描き、みんなでつなぐ このまちがキャンバスに」の実現に向け取り組んでまいります。

次に、快適な住まい環境の充実についてであります。

門真住宅につきましては、入居者の早期の安全確保のため、建替え事業を推進するとともに、事業により新しく創出される余剰地の活用については、北島西・北地区のまちづくりの動向も見据え、公共施設等マネジメント戦略会議で活用方法等を引き続き検討してまいります。

府営住宅の移管につきましては、6年度に予定している門真下馬伏、門真北岸和田、門真三ツ島、門真北島住宅の計4団地の第2次移管に向けて、円滑な移管が実施されるよう大阪府と引き続き協議を進めてまいります。

次に、憩いの場の充実についてであります。

公園の拡充につきましては、「門真市パークイノベーション計画」に基づき、旧浜町幼稚園跡地を有効活用し、公園の魅力アップに資する(仮称)浜町みらい公園の新規整備に向けた設計業務に着手してまいります。

次に、公共交通の充実についてであります。

大和田駅前地域につきましては、引き続き公共交通の結節点にふさわしい利便性の高い駅前広場の整備に向けた調査業務や地権者との交渉を進めるとともに、交通事業者や地域のご意見を踏まえ、駅前広場の基本構想の策定に取り組んでまいります。

大阪モノレール新駅設置事業につきましては、用地取得など具体の事業に着手し、引き続き大阪府等と連携し、11年の大阪モノレール延伸事業との同時開業をめざしてまいります。

また、乗合タクシー社会実験運行事業につきましては、バス停へのアクセスに負担を感じる高齢者や障がい者、妊産婦等に対し、タクシーを活用したよりきめ細かい移動サービスを効率的に提供するデマンド型の新たな交通システムの導入に向け、5年度より最長3年間の社会実験を、区域と利用対象者を限定し実施するとともに、門真団地周辺地域と門真南駅とを結ぶルートにつきましては、引き続き早期の実現に向けて検討してまいります。

環境分野及び上下水道分野

次に、「環境分野」及び「上下水道分野」について申し上げます。

まず、地球環境保全についてであります。

脱炭素社会の実現に向けて、「門真市地球温暖化対策実行計画」に基づき本市の事務事業における温室効果ガス削減の取組をさらに推進するとともに、市民及び民間事業者へCO2削減につながる行動の啓発に取り組んでまいります。

「海洋プラスチックごみ」の削減に取り組むため、地元企業と連携して、マイボトルの普及に向けた意識啓発を行うとともに、給水スポットを庁舎内に設置してまいります。

次に、生活環境保全についてであります。

「門真市路上喫煙の防止に関する条例」に基づく路上喫煙禁止区域の指定につきまして、現在未指定の萱島駅、大和田駅、西三荘駅及び門真南駅の4駅の周辺地域を指定し、喫煙者のマナー、モラルの向上及びまちの環境美化意識の高揚を図ってまいります。

次に、快適に暮らせる生活基盤の整備についてであります。

ごみ焼却施設等につきましては、5号炉を基幹的設備改良工事で延命化を図り、12年度までの1炉体制において、包括的管理運営業務委託により、安定的かつ効率的な運営を行ってまいります。また、定期整備工事等の一時的な休止期間においても、大阪広域環境施設組合及び構成4市の協力のもと連携しながら、ごみの適正処理に努めてまいります。

資源化処理業務につきましては、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」への対応等を踏まえつつ、さらなる効率化を進めるため、資源ごみの選別等中間処理業務委託を実施してまいります。

次に、上水道施設の基盤強化についてであります。

引き続き、計画的な上水道施設の更新、耐震化を推進するとともに、上水道事業の広域化につきましても、大阪府をはじめ、大阪広域水道企業団及び他団体の動向を注視し、必要に応じた検討、協議に取り組んでまいります。

次に、下水道施設の基盤強化についてであります。

公共下水道事業につきましては、引き続き未整備地域の解消に向けた整備を計画的に進めるとともに、「門真市下水道総合地震対策計画」に基づく重要な管渠等の地震対策及び5年度が終期である当該計画の改定に取り組んでまいります。

地域振興分野及び産業振興分野

次に、「地域振興分野」及び「産業振興分野」について申し上げます。

まず、地域会議についてであります。

4年度に第四中学校区、第二中学校区の地域会議が設立されたことで、5年度が全中学校区での活動元年となります。各地域での活動はもちろんのこと、複数の地域会議が連携した地域活動も見据え、地域活動活性化の支援に努めてまいります。

次に、安心・安全な暮らしを支える体制づくりについてであります。

還付金詐欺などの特殊詐欺の被害が依然として増加していることから、5年度においても引き続き、未然防止に有効な特殊詐欺被害防止機器の無償貸与を継続してまいります。また、門真市消費者安全確保地域協議会において関係機関との連携を更に深め、狙われやすい高齢者等に対する消費者被害の未然防止と拡大防止に努めてまいります。

次に、平和と人権の尊重についてであります。

市民が常に高い人権意識をもち、正しい情報に基づいた冷静な行動をとるための人権啓発や人権相談などを推進し、さらなる人権擁護に努めてまいります。

また、誰もが多様な生き方を選択しながら、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向けて、5年3月に策定する「(仮称)第3次かどま男女共同参画プラン」を基に、女性活躍支援を推進してまいります。

次に、暮らしに身近な相談窓口の集約化についてであります。

門真プラザ再整備に伴う門真市消費生活センターの移転を機に、5年度に全面改装を予定しているイオン古川橋駅前店に門真市女性サポートステーションWESSと併せて移転し、利便性の高い駅前に消費生活相談や女性相談等の暮らしに身近な相談窓口を配置することで、市民サービスの向上や公共施設の集約化・多機能化が可能であることから、移転に向けた準備を進めてまいります。

次に、地域産業の強化と発展についてであります。

現在、市の基盤産業である製造事業者においては、人手不足やDX、GXへの対応などが喫緊の課題となっており、これまで以上に、時流に即し、企業ニーズに対応した施策を計画的に展開する必要があります。

このことから、工業振興計画の策定をはじめ、企業と合同での展示会出展や、企業の魅力アップの取組に対する補助制度の構築を国の交付金活用も含め検討するとともに、居住環境との共存を図るため、立地適正化計画における産業誘導区域への立地を図る補助制度の創設に取り組んでまいります。

地域教育振興分野

次に、地域教育振興分野について申し上げます。

まず、地域教育環境の充実についてであります。

(仮称)門真市立生涯学習複合施設につきましては、5年度は建設に向けて詳細な設計を行う実施設計業務を進め、引き続き基本コンセプトである「地域とともにコミュニティを育む文化・学習の交流拠点」を踏まえつつ、市民が誇りと愛着の持てる魅力ある施設となるよう着実に整備を進めてまいります。

図書館運営につきましては、3年度に策定した図書館運営方針において、市民プラザ内に設置する市南部地域の図書館を「知識を深める図書館」、複合施設内に設置する市北部地域の図書館を「世界が広がる図書館」と位置付けており、5年度におきましては、市南部地域の図書館の設計業務を進め、引き続き新たな2館体制による運営に向けた施設の整備を進めてまいります。

次に、暮らしに息づく文化芸術の推進についてであります。

質の高い文化芸術を鑑賞、体験することは子ども達の豊かな想像力や思考力を養うとともに、将来の芸術家や観客層の育成に寄与し、優れた文化芸術の創造につながることから、4年度に引き続き関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏による中学生音楽会を実施してまいります。

次に、市民スポーツの振興についてであります。

4年度は新型コロナウイルス感染症の影響から、ウィズコロナ・ポストコロナへと移行し、多くのスポーツイベントが復活しました。5年度におきましても引き続きスポーツレクリエーションフェスティバルをはじめ、幅広い世代が楽しくスポーツに親しむことができるよう取り組んでまいります。

危機管理分野

次に、「危機管理分野」について申し上げます。

まず、危機管理と災害時対策についてであります。

近い将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震などによる大規模な災害発生に対応するため、4年度には飯尾電設株式会社、門真親油会、三井不動産株式会社及び株式会社ジェイコムウエスト北河内局と災害時に関する協定を締結しました。今後も、民間事業者との連携を広げることを念頭に、様々な分野において災害協定を締結できるよう努めるとともに、協定先事業者との連携を強化してまいります。また、災害用備蓄物資として新たに液体ミルクを備蓄するほか、避難所における簡易トイレでのプライバシー確保のための簡易テントを新たに配備するなど、避難所における生活環境の充実に取り組んでまいります。

次に、市民の危機管理意識の向上についてであります。

本市では、安全・安心なまちづくりを推進しているところであり、「13年度までに800台」を目標とする防犯カメラ増設を引き続き推進するなど、地域・警察との連携による防犯対策をより一層強化し、今後も体感治安の向上に努めてまいります。

次に、消防・救急医療体制の充実についてであります。

広域的な大災害発生時にも十分機能しうる消防力の充実強化のため、守口市門真市消防組合と消防団が連携した訓練等を実施してまいります。また、地域防災力の向上のため、防災士資格を有する消防団員が各地域でのイベントや防災訓練において、日頃からの防災対策及びAEDを使用しての心肺蘇生法を周知・指導するなど、より一層の啓発活動を実施するとともに、防災士の研修会へも引き続き参加するなど、地域の防災士の皆さまとも連携を図りながら、消防団員が地域防災の中心的役割を担っていけるよう取り組んでまいります。

行政管理分野

次に、「行政管理分野」について申し上げます。

まず、効率的・効果的な行政運営についてであります。

自治体DXの推進につきましては、4年11月に策定した「門真市DX推進計画」に基づき、行政手続のオンライン化等を推進してまいります。

デジタルの利便性を市民の皆さまに早期に享受していただくため、マイナポータル等の電子申請システムや、5年1月末に機能拡張を行った門真市公式LINEアカウントの活用等により、スマートフォンで行える行政サービスの提供を推進してまいります。また、デジタル機器に不慣れな方を含め、すべての市民の皆さまが安心してオンライン申請等を利用できるよう、相談受付体制を整備したデジタルデバイド対策を展開してまいります。

加えて、公文書管理及び財務会計処理における電子決裁システムの本格運用を開始するほか、電子契約システムを導入し、デジタル技術を活用した更なる業務効率化を図ってまいります。

マイナンバーカードにつきましては、5年1月末時点において、本市の人口に対する申請率が68.3%、交付率が60.5%であり、全国平均の申請率69.4%、交付率60.1%と近い水準で推移していることから、4年度に引き続き国の財源を積極的に活用した申請サポート事業などを実施し、取得促進を図ってまいります。

また、民間事業者と協定を締結し、別館1階の窓口案内システム関連の機器を更新し、来庁者にわかりやすい窓口案内の環境整備を図ってまいります。

次に、職員の人材育成と組織力向上についてであります。

組織や仕事への貢献意欲や市に対する愛着心を示す職員エンゲージメントに係る現状分析を進めるとともに、管理職へのマネジメント研修の充実を図るなど組織力の向上に向けた取組を推進してまいります。

次に、選挙時における感染症対策の徹底を図るため、期日前投票所につきまして、4月の統一地方選挙においてもイオン古川橋駅前店に開設し、引き続き市内3か所で実施してまいります。

次に、広報・情報発信の充実についてであります。

利用者にとってよりわかりやすい市ホームページとなるよう、トップページやコンテンツのリニューアルを行うとともに、ツイッター、インスタグラム、LINEなどの市公式アカウントを活用し、積極的な情報発信に努めてまいります。

次に、公共施設の適正管理についてであります。

市役所本庁舎駐車場及び旧第六中学校運動広場駐車場を有料化することにより、近隣公共施設利用者との均衡、駐車場利用の適正化及び有効活用を図ってまいります。

次に、財政運営についてであります。

我が国の景気は、物価上昇や供給面での制約等の影響に十分注意が必要な状況にありますが、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、今後は持ち直していくことが期待されており、本市の5年度の市税収入についても4年度より増収となる見通しであり、感染症拡大前の水準まで回復する見込みであります。

財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率は、3年度決算において96.8%となり、6年ぶりに100%を下回ることとなりました。

しかしながら、依然として高い水準にあることに加え、本市の中期財政見通しでは、今後、(仮称)市立生涯学習複合施設の建設や小中学校の統廃合、庁舎エリアの整備等の大規模事業が続き、これらによる公債費の増加をはじめ、公共施設の老朽化に伴う維持補修費等に多額の財源が必要となるため、充分な基金の確保が喫緊の課題となっております。

引き続き予断を許さない財政状況ではありますが、行政手続きのオンライン化等のDXやゼロカーボンシティ実現に向けたGXの推進に加え、人口減少対策に資する施策の推進に積極的に取り組むことで安定的な財源の確保を図り、引き続き「まちの成長」と「財政の健全化」の両立を着実に進めてまいります。

市制施行60周年

次に、冒頭でも申し上げましたが、5年度は市制施行60周年を迎える記念すべき年であり、市民の皆さまと喜びを分かち合い、誇りと愛着を高め、また、門真市内外のファンを増やすため、様々な周年記念事業を実施し、盛り上げてまいります。5年1月には、60周年記念ロゴマークを作成し、事業実施の際には、市民の皆さまをはじめ、市内各種団体や事業者の皆さまにもご活用いただけるものとなっております。

周年記念事業といたしましては、市民・各種団体等の皆さまに企画いただいた事業への補助はもとより、本市の歩んできた60年の道のりの記念動画や記念グッズの制作、原動機付自転車のオリジナルナンバープレートの導入、4年度に引き続き公民連携キャリア教育イベント「ミライのシゴトEXPO」の実施、ふるさと門真まつりにおいては、実行委員会とともに60周年の目玉となるイベントを実施、地域商業の更なる活性化を図るイベント等に対する商業振興補助金の交付及び農産物品評会事業を拡充いたします。これらの取組は、ホームページに60周年特設サイトを設け、市内外へ広く周知してまいります。

このように5年度を通して、様々な事業を実施してまいりますので、市民の皆さまにも参加・参画をしていただきまして、共に60周年を盛り上げていきたいと考えております。

むすびに

以上、5年度に取り組む施策の一端について申し上げました。

5年度予算につきましては、一般会計約694億円、また、国民健康保険事業特別会計ほか5事業会計をあわせまして、総額約996億円といたしたところであります。

少子高齢社会の進展により引き続き予断を許さない財政状況ではありますが、老朽化した公共施設の複合化・集約化による最適化、予防保全による長寿命化の推進等、まちづくりの推進による快適な住まい環境の整備に取り組んでまいります。

本市を取り巻く状況が刻々と変化していく中、自治体DX、GXの推進、人口減少対策を着実に進めることで、社会情勢の変化にも的確に対応しつつ、「門真市健全な財政に関する条例」に基づき財政規律の堅持に努めることで「まちの成長」と「財政の健全化」を進めてまいります。

むすびになりますが、昭和38年8月1日に門真市制が施行され、初代の市長であった中塚種夫氏は市制施行にあたって、次のような決意を披瀝(ひれき)されています。

「幸い市制を施行いたしましたからには、名実共に市としての態勢を充実させるため、都市計画に基づく道路網の整備と、下水排水処理施設の完備とによって、生活環境をよくすると共に、福祉施設を拡充し、更に教育の振興と産業の発展を計って、いわゆる健全な産業都市を建設し、もって市民の幸福と利益のため精魂を傾けて一層の努力をいたす決心でございます。」

市制施行60周年を迎える年にあらためて初代市長の決意に触れ、身が引き締まる思いであります。昭和から平成、令和へと引き継がれてきた門真市への思いを胸に、本市のまちづくりを、より一層充実させ、市民の皆さまに誇りと愛着をもっていただき、住みたい、住みつづけたいと思っていただけるよう市政運営に取り組んでまいりますので、何とぞ議員並びに市民の皆さまのなお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、5年度における施政方針といたします。

長時間にわたりご清聴賜りまことにありがとうございました。何卒、よろしくお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部 企画課 本館3階
〒571-8585 大阪府門真市中町1-1
電話06-6902-5572
メールフォームによるお問い合わせ