令和7(2025)年度施政方針
令和7(2025)年度施政方針 (PDFファイル: 468.9KB)
はじめに
本年1月17日に阪神・淡路大震災から30年が経過しました。報道等において、当時の被災地の甚大な被害映像などを見るにつけ、当時兵庫県にいた友人に何度か支援物資を届けたことを思い出します。あらためて、大都市における直下型地震の怖さを痛感し、30年以内に発生率が80%程度に引き上げられた南海トラフ地震等の大地震に備えることが必要であると再確認いたしました。
本市においては、当時を知る職員が少なくなる中、被災地支援並びに避難所での経験を積むため、東日本大震災や熊本地震、直近では、昨年発生した能登半島地震の被災地へ職員派遣を行い、また、地域の皆さまの防災力を高めるため、総合防災訓練や防災講話などを通じまして、防災・減災意識の更なる向上や常日頃の備えに努めているところであります。避難所環境の充実についても、国の交付金を最大限活用し、簡易トイレ、簡易ベッドなど少しでも快適な生活が送れるよう整備するとともに、迅速かつ適切な医療救護活動が行えるよう、テント、トリアージシートを整備する予定でございます。
さて、6年度を振り返ってみますと、市制施行60周年を機に門真市ふるさと大使を委嘱したお二人との音楽を通じた交流において、子どもたちの大きな可能性を感じた1年でありました。
まず、門真の星大使・広瀬香美さんが昨年12月にルミエールホールで開催した「門真の星大使就任記念」スペシャルコンサートにおいて、市内在住の小学生から高校生の約50人で結成された「ロマンスの神様合唱団」が広瀬さんとの共演を果たしました。コンサート当日の本番リハーサルにおいて、広瀬さんの指導により合唱が大いに上達し、本番では大成功を収めることができました。
また、門真情熱大使・藤岡幸夫さんには、部活動地域移行で結成した「門真市中学生吹奏楽団」の顧問となっていただき、団員の生徒の皆さんは、関西フィルハーモニー管弦楽団員のプロの奏者からの演奏指導や、地域の楽団員のサポートを受け、練習に励んでおります。昨日2月24日に、ルミエールホールで行われた初めての成果発表会において、元気あふれる演奏を披露し、練習の成果をいかんなく発揮しておりました。
今後も、門真市ふるさと大使や地域の方々等と連携しながら、子どもたちの可能性を広げる取組を進めるとともに、文化や産業等、本市のもつ多様な魅力を広く市内外へ発信し、更なる市の知名度及びイメージの向上に取り組んでまいります。
社会経済情勢に目を向けますと、ロシアによるウクライナ侵攻は続いており、パレスチナ・ガザ地区の戦闘においては、停戦合意をなされましたが、依然として、国際情勢は不透明であります。また、アメリカ合衆国では再びトランプ政権となり、様々な政策転換がなされたことによる影響にも注視が必要です。
次に、国内経済に目を向けますと、600兆円を超える名目GDP、33年ぶりの高水準の賃上げが実現するなど、成長と分配の好循環は、動き始めております。こうした前向きな動きを、国民一人一人が実際の賃金・所得の増加という形で、手取りが増え、豊かさが実感できるよう、国において、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を策定し、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保の3本柱で取組を進めることとしております。
本市におきましては、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰対策等として、キャッシュレス決済ポイント還元キャンペーンを通じた「かどまを満喫・カドマツーリズムde商業振興事業」、温室効果ガスの排出量削減をめざした「省エネエアコン買い換え促進事業」を実施する予定でございます。
7年は、私の3期目の市政が始まって、実質的に最初の年であります。これまでの2期8年において「地域に根差した子育て・教育施策の充実」、「産業の振興と身近で働ける場の創出」、「まちづくりの推進による快適な住まい環境の整備」を3本柱としてまちづくりを進め、本市における急激な人口減少を緩やかなものとしてきました。直近では、自然減はあるものの、社会増の傾向が続いており、引き続き、年齢層のバランスが取れたまちの実現をめざしてまいりたいと考えております。
さて、いよいよ4月13日に大阪・関西万博が開幕いたします。本市としては、開催地の自治体の1つとして本市の魅力をPRするため、大阪府と連携し、大阪の魅力を国内外に発信する春・夏・秋に開催される「大阪ウィーク」において、市民団体や民間企業と出展を企画しております。ぜひ、こどもの無料招待事業も活用いただき、多くの市民の方に万博会場で未来社会を体験していただきたいと思っております。
7年度は今年度中間見直しを行った第6次総合計画の6年目が始まります。これまでの5年間に起こった新型コロナウイルス感染症の流行やデジタル社会の進展、脱炭素社会への要請など社会情勢の変化への対応とともに施策の進捗状況等も踏まえた本市の実情及び時勢に適合した計画へと見直しを行いました。引き続きまちの将来像である「人情味あふれる!笑いのたえないまち門真」の実現に向け、市内外から関心を持ってもらえるような魅力的なまちづくりを進め、皆さまに住んで良かった、住み続けたいと実感していただけるよう、全力で市政運営に取り組んでまいります。
それでは、7年度に取り組む主な施策について、ご説明申し上げます。
子育て分野
はじめに、「子育て分野」について申し上げます。
まず、みんなで支え合う子育て環境づくりについてであります。
公民連携子どもの居場所「子どもLOBBY」については、今後の門真市駅前のまちづくりに伴う移転を見据え、さらに検討を進めてまいります。
次に、母子保健の充実について及び子育て世帯への支援についてであります。
改正児童福祉法による、児童福祉と母子保健の更なる連携強化により全ての妊産婦・子育て世帯・子どもを対象に、妊娠期から切れ目のない相談支援を行う機能を有する機関である「こども家庭センター」を7年4月に設置し、その愛称を「こども家庭センター ひよこテラス」といたします。
また、支援が必要なご家庭への子育て支援策として、子育て短期支援事業の対象者を経済的問題等により緊急一時的に保護が必要な親子についても利用可能となるよう拡充いたします。併せて、支援が必要なご家庭を対象とし、継続的な見守りや食品等の提供のほか、生活習慣の習得、学習の支援等も行う「支援対象児童等見守り強化事業」を実施してまいります。
次に、就学前教育・保育の充実についてであります。
北部地域公立認定こども園整備事業につきましては、4年9月に策定した「門真市公立園最適化基本計画」に基づき、上野口保育園と大和田幼稚園を統合した認定こども園を8年4月に開設するため、大和田幼稚園の一部改修及び給食調理場等の増築工事を進めてまいります。
全国的に不足する保育士等の安定的な確保・定着を促すため、保育士等定着支援給付金事業補助金を継続するとともに、8年度からの確保策の拡充の実施に向け、周知活動を行い、保育士確保を支援してまいります。
また、保護者の就労等により、家庭で保育できない病気や病気の回復期の児童を預かる病児・病後児保育事業の拡充を行い、子育てと就労の更なる両立支援を図ります。
教育分野
次に、「教育分野」について申し上げます。
まず、学校教育の推進についてであります。
「門真市教育振興基本計画2021」に掲げた「将来の自立をめざして自分の生き方をみつける子ども」の育成に向け、「子ども主体の学び」「探究的な学び」を柱とした授業改善を行い、引き続き学力向上に取り組んでまいります。
生徒指導におきましては、「チーム学校」として様々な専門家等と連携し、誰一人取り残すことなく子どもを見守り、かけがえのない命を守っていくための取組を進めてまいります。また、発達支持的生徒指導の推進を基盤に、発達障がいのある子ども、不登校傾向の子ども、日本語が話せない子どもなどを含め、全ての子どもを「真ん中」に個別最適な指導・支援を行うことで、子どもたちが自ら主体的に成長していくことを支えてまいります。
部活動地域移行におきましては、6年度よりモデル校を中心に休日の地域移行を実施しており、持続可能な運営方法の確立をめざしながら、対象を市内全中学校に拡充していくとともに、平日の地域移行にも順次取り組んでまいります。
また、本市初の義務教育学校である(仮称)水桜学園の8年度の開校に向けて、同学園のコンセプトである「つながり」「多様性」「チャレンジ」を具現化するため、第四中学校及び水桜小学校において、9年間の系統性を意識したカリキュラムを着実に実施するとともに、引き続き、学校法人軽井沢風越学園等との連携も図りつつ、開校に向けた準備を進めてまいります。
次に、学校施設と教育環境の充実についてであります。
7年4月より学校給食費の公会計化に伴い、「門真市学校給食の実施及び学校給食費等の管理に関する条例」に基づき安定的な給食の実施及び適正な学校給食費の管理に取り組んでまいります。
また、小学校体育館へのLED照明設備の設置や、速見小学校、門真みらい小学校の体育館への空調設備設置に向けた設計、給食棟の空調設備設置や屋上防水改修工事を行うなど、教育環境の充実を図ってまいります。
次に、学校適正配置推進事業についてであります。
まず、第四中学校区の再編整備につきましては、8年4月の義務教育学校開校に向け新校舎建設を進めるとともに、小中学校の統合準備を進めてまいります。
併せて、四宮小学校・北巣本小学校の統合につきましては、8年度の北巣本小学校敷地での統合に向け、仮設校舎の建設や既存校舎の改修に着工してまいります。また、四宮小学校敷地に予定しております新校舎建設につきましても設計業務に着手し、児童、教職員や学校関係者などと協議しながら進めてまいります。
さらに、現在議論が進められております第5次門真市学校適正配置審議会の答申を踏まえつつ、今後の具体的な学校再編の方針を示してまいります。
次に、GIGAスクール構想推進事業についてであります。
児童生徒1人1台端末の導入から5年が経過することから、端末及び学校ネットワークの更新整備を行い、子どもたちの学びのさらなる充実と校務DXの推進に向けた環境づくりを一層進めてまいります。
健康管理分野及び福祉分野
次に、「健康管理分野」及び「福祉分野」について申し上げます。
まず、生涯を通じた健康づくりと病気の予防対策についてであります。
7年4月から12年間の計画である「門真市第2次健康増進計画・食育推進計画」に基づき、健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいります。
次に、地域福祉の推進についてであります。
地域住民の抱える複雑化・複合化した課題の解決や、制度の狭間にあるニーズに対応するため、包括的支援体制の構築を図る重層的支援体制整備事業の実施に向けた準備を進め、地域共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
また、認知症高齢者の増加等により、権利擁護支援のニーズが今後さらに高まる可能性を踏まえ、成年後見制度利用促進のための中核機関を設置し、地域連携ネットワークの構築に取り組んでまいります。
次に、高齢者への支援についてであります。
高齢者がいつまでも住み慣れた地域で、認知症の人が個人の尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、包括的に支える体制の整備に取り組んでまいります。
また、通いの場等での介護予防の取組をはじめ、高齢者の生活課題の解決を図り、日常生活の自立支援に取り組むとともに、ICTなどを活用し介護給付の適正化を推進してまいります。
次に、障がい児(者)等への支援についてであります。
医療的ケア児者及び重度の障がい児者を含むすべての障がい者等やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、市内での短期入所などの障がい福祉サービスの提供体制の整備に努めるとともに、障がい福祉施策の充実を図ってまいります。
次に、生活保障と自立支援についてであります。
今もなお続く物価高騰に対する支援として、住民税非課税世帯に対する給付を引き続き行うとともに、6年度に実施した定額減税補足給付金については、6年分所得税及び定額減税の実績額等が確定したのちに、本来給付すべき額と当初の給付額に差額が生じた方等に対して、定額減税補足給付金の給付を行ってまいります。
まちづくり分野
次に、「まちづくり分野」について申し上げます。
まず、まちの顔づくりについてであります。
駅周辺地区のまちづくりの推進につきましては、古川橋駅周辺地区におけるエリアの未来ビジョンに基づくエリアマネジメント活動や、まちなかウォーカブル推進事業を進めていくため、5年度、6年度に実施した社会実験の検証結果を踏まえ、引き続きウォーカブル基本計画等を策定し、エリア価値の向上や持続可能で魅力あるまちづくりを推進してまいります。
また、門真市駅周辺地区につきましては、エリアの未来ビジョンに基づくエリアマネジメント活動やウォーカブル基本構想の策定を進めるとともに、本市の顔として、土地の高度利用により商業・業務機能、居住機能等の複合的な都市機能の集積を図るため、引き続き市街地再開発組合の設立に向け支援を行ってまいります。
本市北部地域の地震時等に著しく危険な密集市街地につきましては、引き続き「密集市街地整備アクションプログラム」に基づき、解消に向けて面整備事業や優先主要生活道路の整備並びに老朽木造建築物等の除却など解消効果の大きい事業を重点的かつ計画的に推進してまいります。
また、泉町・松葉北地区の旧北小学校跡地周辺につきましては、旧北小学校解体工事を実施し、市有地を有効活用した面整備事業により安全・安心なまちづくりを実現してまいります。
第二京阪道路沿道まちづくりの推進につきましては、北島西・北周辺地区において、計画的な土地利用を進めていくため、引き続き都市計画決定及び土地区画整理組合設立に向け支援を行ってまいります。
庁舎エリアにつきましては、新たに設置した庁舎エリア整備ワーキングチーム及び庁内検討委員会での検討を踏まえ、門真市庁舎エリア整備基本構想に基づき、基本計画策定業務、設計業務、運営業務等を一括で行うPDO 事業者と共に、引き続き基本計画策定に向けた取組を進めてまいります。
次に、快適な住まい環境の充実についてであります。
市営門真住宅につきましては、引き続き入居者の早期の安全確保のため、建替え事業を推進してまいります。
大地震から市民の生命と財産を守るため、引き続き「門真市住宅・建築物耐震改修促進計画」に基づき、建物所有者に対し耐震化の重要性等について周知啓発を積極的に行い、耐震診断や耐震改修等の補助制度の活用を促し、建築物の耐震化の促進に努めてまいります。
また、空家等に関する対策を総合的かつ計画的に推進するため、7年度に終期を迎える「門真市空家等対策計画」の改定に取り組むとともに、空家等に関する補助制度の見直しについても検討してまいります。
建築確認申請(計画通知)手続きにつきましては、現在運用している建築行政データシステムを活用しつつ、電子申請受付を可能とする仕組みを導入する機能を拡充することで、受付から審査に至る一連の手続きがオンライン上で完結可能となり、ペーパーレス化の推進に加え、消防機関との連携強化による迅速かつ効率的な業務遂行を実現してまいります。
次に、憩いの場の充実についてであります。
公園の整備につきましては、現在着手中の(仮称)浜町みらい公園の整備事業において、7年度中の供用開始に向け、整備工事を実施してまいります。
次に、公共交通の充実についてであります。
大阪モノレール延伸事業につきましては、大阪府より開業時期が当初の計画より4年遅延し、15年度開業予定とすることが発表されました。その中で、新駅設置事業につきましては、7年度から本体工事に着手する予定であり、併せて、大阪中央環状線を横断する新駅へのアクセスルートを確保するなど周辺整備にも着手し、引き続き大阪府等と連携し、取組を進めてまいります。
また、今後発生が予想されている大規模地震による鉄道施設への被害の未然防止及び拡大防止を行うため、西三荘駅から門真市駅間の鉄道高架橋の耐震補強を行い、安全で便利な公共交通を確保してまいります。
乗合タクシー社会実験運行事業につきましては、市民からの要望等を踏まえ、事前登録なしにマイナンバーカードの提示で乗車できることや、京阪バス路線の統廃合による影響等への対応として運行区域拡大等を実施した結果、利用者が増加しておりますことから、引き続き利便性向上に向けて取り組んでまいります。
門真南ルートワゴン型バス社会実験運行事業につきましては、車内アンケート調査等の結果を踏まえ、市役所や大型商業施設等を経由すると共に、バス路線が脆弱である、市内横軸の移動を確保する新たな市内循環ルートの構築に向け、門真市地域公共交通会議での議論を踏まえ、7年度中の実施に向けて取り組んでまいります。
大和田駅前地域につきましては、基本構想に基づき公共交通の結節点にふさわしい利便性の高い駅前広場整備に向け、基本設計業務に着手してまいります。
環境分野及び上下水道分野
次に、「環境分野」及び「上下水道分野」について申し上げます。
まず、地球環境保全についてであります。
脱炭素社会の実現に向けて、7年3月に改定する「門真市環境基本計画」及び「門真市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」に基づき、市民、事業者と協働して、環境の保全及びCO2削減につながる行動の啓発、推進に取り組むとともに、公共施設への再エネ電力の導入や、家庭における省エネ性能の高いエアコンへの買い換えを支援することによりエネルギー消費の抑制等を図ってまいります。
また、循環型社会の形成推進に向けて、7年3月に中間見直しを行う「門真市一般廃棄物処理基本計画」に基づき、廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進等に取り組むとともに、受益者負担の原則から持込みごみ等に関する廃棄物処理手数料の改定を行うなど、費用負担の適正化を図ってまいります。
次に、快適に暮らせる生活基盤の整備についてであります。
ごみ処理広域化につきましては、大阪広域環境施設組合への加入及び共同処理の開始に向けて、引き続き協議を進めてまいります。
ごみ焼却施設につきましては、7年3月をもって5号炉の延命化工事が完了することから1炉体制に移行いたします。引き続き、包括的管理運営業務委託を通じて、安定的かつ効率的な運営に取り組むとともに、5号炉が定期整備工事等で一時的に休止する期間については、大阪広域環境施設組合及び構成4市のご協力をいただきながら、ごみの適正処理に努めてまいります。
次に、上水道施設の基盤強化についてであります。
引き続き、計画的な上水道施設の更新、耐震化を推進するとともに、9年度からを計画期間とする中長期的な経営の基本計画である次期門真市水道事業ビジョンの策定に取り組んでまいります。
また、7年1月に締結した「水道事業の統合に向けての検討、協議に関する覚書」に基づき、大阪広域水道企業団との検討、協議に取り組んでまいります。
次に、下水道施設の基盤強化についてであります。
引き続き、公共下水道の未整備地域の解消に向けた整備を計画的に進めるとともに、「門真市第2期下水道総合地震対策計画」に基づき、重要な幹線管路等の耐震化及びマンホールトイレの整備に取り組んでまいります。
地域振興分野及び産業振興分野
次に、「地域振興分野」及び「産業振興分野」について申し上げます。
まず、地域会議についてであります。
市民が主体となり、地域の共通課題の解決を図ることを目的とした地域会議については、継続的に開催している代表者会議により、各地域での活動の情報共有・意見交換などを行い、課題解決に向けた活動に取り組まれております。引き続き、地域活動活性化に向け、財政支援及び地域担当職員による人的支援に努めてまいります。
次に、平和と人権の尊重についてであります。
6年4月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行されたことを受け、大阪府において「困難な問題を抱える女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画」が策定されました。本市では、「くらしの相談窓口」で、女性の抱える問題をワンストップで相談できる体制を整備しており、今後も複雑・多様化する課題に取り組み、女性の活躍を推進してまいります。
次に、「多文化共生社会の形成」についてであります。
本市で暮らす外国人住民は年々増加し、また多国籍化が進んでおります。多様な外国人住民にとって暮らしやすいまちの実現に向けて、7年度から、日常生活等での困りごとを相談できる外国人相談会を開催いたします。
次に、地域産業の強化と発展についてであります。
5年のららぽーと門真及びコストコ門真倉庫店の開業やそよら古川橋駅前のリニューアル等により、海外も含め市外から新たな来訪者が増加しております。また、大阪・関西万博の開催により世界中から多くの人々が大阪に集まることが期待されます。
このことから、7年度においては、既存の飲食店等マップを更新するとともに、6年度に作成した英語版に続き、中国語の簡体字・繁体字版、韓国語版を作成し、本市に来訪される多様な人々に対し、市内飲食店等のPRに努めます。また、長期におよぶ物価高騰の影響を受ける事業者を支援し、地域経済の活性化を図るため、キャッシュレスキャンペーンを実施いたします。
地域教育振興分野
次に、地域教育振興分野について申し上げます。
まず、地域教育環境の充実についてであります。
7年度には図書館機能と文化会館機能を併せ持つ「文化創造図書館KADOMADO(カドマド)」の建設工事が竣工を迎えます。本市のランドマークとして、市民が誇りと愛着の持てる魅力ある施設となるよう、8年春の開館に向け準備を進めてまいります。また、歴史資料館につきましては、中塚荘での8年度開館に向け大規模改修工事を進めてまいります。
現在、「門真市公共施設再編計画」に基づき、門真南東地域において、門真市民プラザ内の各施設と周辺公共施設を再編した新たな生涯学習施設の整備を進めており、7年度において旧砂子小学校大規模改修工事に係る実施設計業務を実施してまいります。
次に暮らしに息づく文化芸術の推進についてであります。
文化芸術を身近に感じていただき、心豊かな暮らしと活気あふれるまちの実現に向け、これまで実施している関西フィルハーモニー管弦楽団による中学生音楽会に続き、市主催コンサートを開催いたします。
次に、市民スポーツの振興についてであります。
市内スポーツ施設につきましては、南東地域のまちづくりや施設の再編に伴う移転・集約の中で、幅広い世代のスポーツニーズをかなえることができるよう、検討してまいります。
危機管理分野
次に、「危機管理分野」について申し上げます。
まず、危機管理と災害時対策についてであります。
近い将来、南海トラフ巨大地震などの発生が危惧される中、能登半島地震の避難所の状況を教訓として、トイレカーを購入するほか、国の交付金を活用し、災害時における避難所の生活環境整備に取り組んでまいります。
また、民間事業者との連携を広げることを念頭に、引き続き、様々な分野において災害協定を締結できるよう努めるとともに、協定先事業者との連携を強化してまいります。
次に、市民の危機管理意識の向上についてであります。
市民の自助、共助の意識醸成や地域の防災意識の向上を図るため、引き続き地域での防災講話の実施や、地域の防災訓練に参加するなど、自主防災活動に対する支援を進めてまいります。
本市では、安全・安心なまちづくりを推進しているところであり、引き続き防犯カメラの増設を推進するなど、地域・警察との連携による防犯対策をより一層強化し、今後も体感治安の向上に努めてまいります。
次に、消防・救急医療体制の充実についてであります。
広域的、大規模な災害に対応するため、守口市門真市消防組合と消防団が連携した訓練の実施など、消防力の充実強化に努めてまいります。
また、地域防災力の向上のため、防災士資格を有する消防団員が、各地域でのイベント等における啓発活動の実施や、防災士の研修会へも引き続き参加するなど、地域の防災士の皆さまとも連携を図りながら、消防団員が地域防災の中心的役割を担っていけるよう取り組んでまいります。
大規模な地震等が発生した際に、保健所、医療機関及び関係機関と連携し、直ちに被災地の状況を把握、情報共有することにより、迅速かつ適切な医療救護活動が行えるよう体制を整備してまいります。
行政管理分野
次に、「行政管理分野」について申し上げます。
まず、効率的・効果的な行政運営についてであります。
行政デジタル・トランスフォーメーションにつきましては、行政手続のオンライン化の拡充や、マイナンバーカード等を活用した書かない窓口の取組等に加え、職員が時間や場所を有効に活用できる柔軟な業務環境に向けたテレワークシステムの見直しにより、更なる推進を図り、デジタル利活用による市民の利便性向上及び行政の業務効率化を図ってまいります。
また、7年度末までに、本市の基幹系情報システムを、標準準拠システムに安全かつ円滑に移行させるため、データ移行やシステム設定、動作検証等を着実に実施してまいります。
新技術や先進技術、データの活用によって地域課題の解決を図る、スマートシティの推進では、マイナンバーカードを活用し公的認証される「かどまID」を整備し、様々なサービスと連携できるスマートフォンアプリ「かどまアプリ」により、PHR(パーソナルヘルスレコード)、服薬管理、食事管理を、市民自らがデジタル上で行うことを推進し、健康意識の向上を図ってまいります。また、かどまIDと連携した住民の利便性を向上するサービスについて検討してまいります。
客観的なデータ等を活用し、持続的・効果的な行政運営と市民サービスの向上を図る、EBPM推進事業では、将来の門真の姿を見据えると、20代から30代人口の転出抑制に資する施策が必要であり、本市の課題や特徴の分析からすると、とりわけ「子育て環境」をキーワードとした施策の検討が重要と考えられるため、人口動態等のオープンデータの分析に加え、より広範なデータを用いて専門知識を有する業者との共創により、「子育て環境」に係る分析を深め、バランスのとれた人口構成を実現するための施策を立案してまいります。
次に公文書管理についてであります。
保存文書については、一定の保管スペースを確保する必要がありますことから、今後の庁舎移転等を見据え、コンサルタント事業者を活用し、永年保存文書を中心に年限の妥当性や電子化の必要性について精査し、その削減に取り組んでまいります。
次に、シティプロモーションによる定住促進についてであります。
市内外の方に住みたい、住み続けたいまちと思っていただくには、市内で進むまちづくりをはじめ本市の様々な魅力を知っていただくことが重要であることから、専門的なスキルを持つ事業者に委託し、ターゲティングからまちの魅力の発掘、従前の市公式SNSによる発信に加えて新たな発信方法等を検討するため、7年度から3か年でシティプロモーション推進事業を進めてまいります。
次に、公共施設の適正管理についてであります。
「門真市公共施設再編計画」については、6年度中に改訂を行い、新たな施設再編案として、こども発達支援センター及び保健福祉センター内にある障がい者福祉センターの生活介護等事業等の機能を南部市民センター跡地に移転・複合化するため、施設の整備手法等を検討してまいります。
次に、財政運営についてであります。
我が国の景気は、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要な状況にありますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、今後は緩やかな回復が続くことが期待されており、本市の7年度の市税収入は、予算ベースで、平成20(2008)年度以来、実に17年ぶりに200億円を超え、大幅な増収となる見通しであります。
しかしながら、本市の「中期的な財政収支見通し」では、今後、老朽化した公共施設の再編や大規模なまちづくり事業が続くことによる公債費の増加に加え、人口減少・高齢化等に伴い、更なる社会保障関係経費の増加を見込んでおり、財政状況は更に厳しさを増すものと考えております。
また、財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率は、5年度決算において3年連続で100%を下回る97.3%でありましたが、依然として高い水準にあり、財政構造は極めて硬直化しております。
このように、予断を許さない財政状況ではありますが、人口減少対策に資する施策を積極的に取り組む上では、市税収入をはじめとした、将来における安定的な財源の確保に加え、真に必要な住民サービスの選択と集中を行うことが必要であると考えております。
そのため、7年度当初予算編成においては、門真市第6次総合計画に掲げる、めざすまちの将来像である「人情味あふれる!笑いのたえないまち門真」の実現に向け、市民ニーズや社会経済環境の変化に柔軟に対応するための取組、大阪・関西万博を契機とした地域活性化の取組、本市で初となる義務教育学校である(仮称)水桜学園及び文化創造図書館KADOMADO(カドマド)に係る建設、開設に向けた準備をはじめ、様々な施策を実施する予算としております。
大阪・関西万博
次に、冒頭でも申し上げましたが、4月13日に大阪・関西万博が開幕いたします。本市における取組といたしましては、大阪の魅力を国内外に発信する春・夏・秋に開催される「大阪ウィーク」に参加し、本市の魅力発信に取り組んでまいります。
5月には、府内各地からだんじり・やぐら・太鼓台等の展示・実演を行う「大阪の祭!~ EXPO2025 春の陣 ~」に参加し、7月に開催される、万博会場内のアリーナが夏祭り会場となる「大阪の祭!~ EXPO2025 真夏の陣 ~」では、「市民ミュージカル」と「ひんや節」が出演いたします。
また、9月には、音楽を通じて、大阪の魅力を広く国内外に発信する「大阪の祭!~ EXPO2025 秋の陣 ~」で開催される音楽ステージへの出演を予定しております。
そのほか、本市独自の取組として、「折り鶴100万羽プロジェクトの展示」や、カドマイスター企業を中心とした「ものづくり」の展示や体験等を通じて、市外のみならず、国外に向けても本市のPRに取組んでまいります。
また、次世代を担う子どもたちが、世界の最先端技術や価値観などに直接触れ、新しい未来社会の創造に向け、自らの将来にチャレンジできるよう、引き続きご家庭等からの申請に基づき、4月1日時点で4歳から17歳の市内の子どもに対し、1日券のチケットIDを無料配付いたします。
むすびに
以上、7年度に取り組む施策の一端について申し上げました。
7年度当初予算につきましては、一般会計約853億円、また、国民健康保険事業特別会計ほか5事業会計をあわせまして、総額約1,310億円といたしたところであります。
予算編成過程においては、各部局で自主的な既存事業の見直し、国庫補助金等の特定財源の確保等が行われたものの、社会情勢や物価高騰を背景とした事業費の増加等への対応として、6年ぶりに当初予算において財政調整基金を繰り入れることといたしました。
今後懸念されます災害への備え、公共施設やインフラの老朽化への対応、目下の物価高騰や金利上昇に伴う財政負担の増加等を踏まえ、行財政改革の視点から一層の事務事業の改善や見直しにより、基金残高の確保を図り、健全な財政状況の堅持に努めてまいります。
むすびになりますが、本市の名誉市民である松下幸之助氏の著書『道は無限にある』の中には、「お互い人間というものは、常にみずから新しいものをよび起こしつつ、なすべきことをなしてゆくという態度を忘れてはならない」という、言葉があります。この心構えを持ち続けることで、「一年先、五年先には大きな進歩向上」がみられ、「まさに“道は無限にある”という感じがする」と述べられています。
本市においても、職員一人一人が、市内外の情報収集や民間企業等との協働・共創により、知識のアップデートに努め、柔軟な発想で、熱意を持ってチャレンジしていくことで、門真の可能性を大きく広げていけるものと考えております。
いかなる変化、課題にも柔軟に対応できる組織を職員ともども築き上げ、市役所が一丸となって、市民の皆さまとともに未来を見据えた市政運営に全力を尽くしてまいる所存でありますので、議員並びに市民の皆さま方のなお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、私の7年度の施政方針といたします。
長時間にわたりご清聴まことにありがとうございました。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
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更新日:2025年02月26日