令和4(2022)年度施政方針

更新日:2022年03月02日

はじめに

3年度も新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年となり、自粛期間の長期化などにより、市民生活や社会経済活動が大きく影響を受けました。3年10月末頃からは、感染状況が落ち着き、少しずつ社会経済活動が回復傾向にありましたが、1月初旬から国内におきましてオミクロン株による感染者が急増し、医療全体の逼迫、さらに社会機能の維持も困難になってくることも懸念される中、大阪府全域におきまして1月27日から再びまん延防止等重点措置に基づく要請が実施され、先般、3月6日まで延長されたところであります。本市におきましても、感染者が急増し、小中学校において臨時休業となるなど、市民の皆さまの生活や社会経済活動に支障をきたしております。

また、新型コロナワクチン接種におきましては、開始当初は予約に際し、大変なご負担をおかけいたしましたが、接種体制を拡充する中、高齢者で9割以上、全体でも8割以上の方にワクチンを2回接種いただき、医師会をはじめとした各関係機関、事業者、並びに市民の皆さまのご協力に心から感謝を申し上げます。

3回目の追加接種につきましては、これまでの経験も踏まえつつ、3年12月から開始しており、国の動向を見極めながら、希望する市民の皆さまが早期に接種できるよう円滑に進めてまいります。

さて経済状況に目を向けますと、国内では、持ち直しの動きは続いているものの、新型コロナウイルス感染症の拡大や供給面での制約、原材料価格高騰の影響がある中で、一部に弱さが見られます。また、国際情勢も現在、不穏な動きがみられ、注視していく必要があります。

こうした中、国においては「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を策定し、4年度予算と一体的に編成することで、切れ目なく万全の財政政策を実行されておるところであります。

また、大阪府においては、「令和4(2022)年度は、新型コロナウイルス感染症から府民の命とくらしを守り、社会経済活動を回復させることに加え、2025 年大阪・関西万博に向けて再び大阪を成長軌道に乗せる重要な年」との考えから、「命を守る最大限の感染症対策の推進」、「経済の回復・雇用を支える取組みの推進」、「くらしを支えるセーフティネットの充実」を重点的に取り組むことが示されております。

本市におきましても、国の補正予算などを最大限に活用しながら、引き続き「感染症の拡大防止」、「くらしと経済を支えるセーフティネットの強化」、「危機を乗り越え未来をつくる」の3段階に応じた施策を実施し、感染症拡大防止対策と経済対策を進めてまいりたいと考えております。

さて、2025年には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万国博覧会が開催されます。「いのち輝く未来社会」とは、まさに「誰一人取り残さない持続可能な世界」であり、SDGsが達成された社会であります。

また、万博のコンセプトは、「未来社会の実験場」であり、世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を「共創」し、人類共有の課題解決に向け、先端技術などの英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場であります。

これらSDGsと共創の考えは、本市第6次総合計画にも取り入れており、課題設定の段階から民間企業等と連携し、異なる視点や価値観のもと、多方面から意見を出し合いながら解決策の検討を行い、スモールスタートで実証実験を展開しつつ、新たなまちの魅力や価値をともに創り上げていく、その取組がSDGsの達成につながるものと考えており、本市におきましても積極的に進めてまいります。

また、府は施策推進にあたり、ポストコロナを見据え、「万博をインパクトにした大阪の成長・飛躍に向けた取組み」を加速させるとしており、本市としても万博開催の機運醸成に努めるとともに、大阪スマートシティパートナーズフォーラムとの連携をはじめ民間企業等との共創の取組を進めてまいりたいと考えております。

4年は、私が市長に就任してから2期目の折り返しの年となります。これまで取り組んでまいりました駅前のまちづくりや第四中学校区の新しい学校づくりが具体的に動き出す年でもございますが、本市が未来に向かって羽ばたきだすためには、足元にある課題も着実に解決していく必要があると考えております。

具体的に申しますと、ウィズコロナ・ポストコロナに対応した行政手続デジタル化の積極的な推進、健康寿命の延伸、中町地区の庁舎と防災機能を有する公園の整備、老朽化が進んでいる公共施設の在り方の検討、学力向上などがございます。これらに対応するため、公民連携を進めるとともに、組織改編及び人的配置を行いながら、引き続き「地域に根差した子育て・教育施策の充実」、「産業の振興と身近で働ける場の創出」、「まちづくりの推進による快適な住まい環境の整備」の3本柱を中心にSDGs達成に向け施策を推進してまいりたいと考えております。

さらに、5年度には市制60周年を迎えますことから、市民の皆さまが本市により愛着が持てる催しや、市内外の方に本市の未来に対する希望を抱いていただけるような取組を検討してまいりたいと考えております。

これらの課題を解決していくにあたり、将来の投資的な施策への財源をしっかりと確保するため、4年度当初予算編成におきましても「財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算」を継続したところであり、共創にも取り組むことでさらに都市魅力を高め、誰ひとり取り残されないまちづくりを進め、市民の皆さまと一緒になって門真市第6次総合計画の「まちの将来像」で掲げている「人情味あふれる!笑いのたえないまち 門真」の実現に向け、全力をあげて市政を運営してまいります。

それでは、総合計画基本計画の分野ごとに4年度に取り組む主な施策について、ご説明申し上げます。

子育て分野

はじめに、「子育て分野」について申し上げます。

まず、みんなで支え合う子育て環境づくりについてであります。

公民連携子どもの居場所「子どもLOBBY」におきましては、保護者や子育て関係者に非認知能力の向上を図る学習プログラムを提供するとともに、株式会社海洋堂をはじめとした事業連携協定締結企業等による子どもへのキャリア教育イベントを実施するなど、引き続き幅広い子どもへの支援を行ってまいります。

また、新たな連携によるつながりの場づくり緊急支援事業におきましては、子育てに係る相談支援に精通するNPO等の事業者と連携し、学校等での見守りが特に希薄になる夏休み期間にひとり親家庭を訪問することで、子どもが孤立せず実情に合わせた適切な支援を総合的に受けられるよう努めてまいります。

これまで学校施設を利用し、実施してきた学び舎Kids(キッズ)事業につきましては、「新・放課後子ども総合プラン」の趣旨を踏まえ、放課後子ども教室として、放課後児童クラブと同一の事業者が運営し、一体的な実施を推進することにより、事業間の相互の連携強化を図り、魅力ある放課後の居場所づくりを推進してまいります。

次に、公立園の最適化についてであります。

2年3月に策定した「門真市公立園最適化基本方針」に基づく、国道163号以北における公立園の再整備につきましては、引き続き、将来的な保育需要等を踏まえた具体的な計画である「門真市公立園最適化基本計画」の策定に取り組んでまいります。

次に、就学前教育・保育の充実についてであります。

本市は、2年度より待機児童の解消を実現しておりますが、4年度におきましても引き続き、年間を通じ待機児童が発生しないよう努めてまいります。

また、3年度に引き続き、病児・病後児保育事業の利用料について4年度以降も2,000円から500円に引き下げ、保護者負担を軽減することで、子育てと就労の更なる両立支援を図ります。

さらに、コロナ禍における子育て支援策として、これまで実施している保育所等給食費補助事業につきましては、補助対象を認定こども園等に通うすべての3歳児以上の園児に拡充し、月額4,500円を上限に副食費の補助を実施してまいります。

教育分野

次に、「教育分野」について申し上げます。

まず、学校教育の推進についてであります。

「第2期門真市教育振興基本計画」及び「門真市学力向上アクションプラン」に基づき、教育委員会と学校現場が一体となり、教育施策を推進しており、4年度には、教育委員会の組織体制を強化するとともに、学力向上のための市独自で教員を追加配置することにより、学力向上の取組をより一層推進してまいります。

また、GIGAスクール構想の実現につきましては、ICT教育推進校の研究成果や活用事例をもとに、更なる教育活動の充実を図るとともに、緊急時におきましても全ての学校におきましてオンライン授業を実施することにより、子どもたちの学びを止めない学習環境の充実に努めてまいります。

これらをとおして、子どもたちの実態に応じたきめ細やかな教育を着実に実施し、5年度全国学力・学習状況調査での全国平均超えをめざしてまいります。

あわせて、子どもたちが自己肯定感や自尊感情を高め、将来の夢に向かって自立を目指すことができるよう、小中学校におけるキャリア教育の推進を図ります。5年度の本格的な運用に向けて「(仮称)門真市キャリア教育指針」にもとづいた効果的な実践方法の研究・交流を進めてまいります。また、一部の学校で実施する学校運営協議会制度、通称コミュニティ・スクールも有効に活用しながら、地域や家庭との連携につきましてもより一層努めてまいります。

次に、学校施設と教育環境の充実についてであります。

喫緊の課題として進めております屋上防水改修をはじめ、学校生活に極めて重要となるトイレの改修、更には給食棟の空調設備設置を行うなど、安全・安心で衛生的な学校施設の整備を推進してまいります。

次に、学校適正配置事業についてであります。

学校適正配置推進事業につきましては、引き続き、第四中学校区の義務教育学校設置に向けて取り組んでまいります。3年度実施の第四中学校区の新しい学校づくり設立準備会やワークショップでの意見を踏まえ、学校のコンセプトや配置・必要な機能などをまとめた整備基本計画に基づき、校舎等を新設するための設計業務に着手してまいります。事業を進めるに当たっては、継続して、保護者や地域の皆さま、教職員など様々な関係者と議論する場を設けながら、これからの門真の子どもたちにとってワクワクするような特色ある学校をめざしてまいります。

次に、学校における働き方改革についてであります。

学校における教員の事務効率化や児童生徒の学ぶ環境の向上を図るため、校務支援システムを導入するとともに、引き続き学校サポートスタッフを全校に配置してまいります。

健康管理分野及び福祉分野

次に、「健康管理分野」及び「福祉分野」について申し上げます。

まず、生涯を通じた健康づくりと病気の予防対策についてであります。

新型コロナワクチンの追加接種におきましては、引き続きWEBでの予約を希望する高齢者等にスマホでの予約をサポートする窓口を設置するなど、利便性の向上を図り、円滑なワクチン接種に努めてまいります。

また、子宮頸がんワクチンの定期接種につきましては、国の積極的な勧奨再開の方針に基づき、対象者等がワクチン接種を検討する上で必要な情報提供に努めるとともに、これまでの接種機会を逃した方も含めた対象者への個別通知を行うなど、円滑な接種を推進してまいります。

さらに、社会における健康を取り巻く環境変化に対応するべく、組織体制を強化し、市民の皆さまの健康維持・増進を図ってまいります。

次に、母子保健の充実についてであります。

新生児聴覚検査につきまして、検査費用の助成を開始し、難聴等の早期発見及び適切な早期療育の提供に繋がるよう、検査を受診しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

次に、健康保険制度の適正な運営についてであります。

引き続き歳入確保及び歳出抑制の取組をすすめることにより安定的な事業運営に努め、アスマイル等を活用し、被保険者をはじめ市民の皆さまの健康意識の醸成に資する取組を検討してまいります。

次に、高齢者への支援についてであります。

老人福祉センター等につきましては、ICT環境を活用し高齢者が施設や自宅等でさまざまな介護予防教室や講座に参加ができるようWi-Fi環境を整備してまいります。

「門真市第8期高齢者保健福祉計画」に基づき、引き続き介護予防・健康づくりの取組を進めるとともに健康寿命の延伸のための新たな取組について検討を進めてまいります。また、介護保険事業につきましては、6年度からの市独自での事業運営に向け、くすのき広域連合及び関係市と連携を図りながら、準備を進めてまいります。

次に、生活保障と自立支援についてであります。

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、経済的に困窮するなど様々な困難に直面した方々への「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」の支給や自宅療養者への食料品等支援を継続し、また、住居確保給付金等の生活困窮者自立支援事業の実施により、生活の安定や自立を促進するなど、引き続き包括的、継続的な支援を行ってまいります。

まちづくり分野

次に、「まちづくり分野」について申し上げます。

まず、まちの顔づくりについてであります。

本市北部地域の地震時等に著しく危険な密集市街地におきましては、「密集市街地整備アクションプログラム」に基づき、解消効果の大きい事業を重点的かつ計画的に推進してまいります。

さらに、中町地区につきましては、庁舎、防災機能を有する公園、及び周辺エリアのそれぞれが連動し、より効果的にその機能を発揮できるまちづくりを実現するための基本構想を策定してまいります。また、泉町・松葉北地区の旧北小学校跡地につきましては、市有地を有効活用しながら、地域住民が自ら参画できる公民連携のまちづくりを進めてまいります。

駅周辺地区のまちづくりの推進につきましては、門真市駅周辺地域におけるまちの価値をあげていくため引き続きエリアリノベーションに取り組むとともに、門真プラザの再整備の検討を進めるため、区分所有者等で構成する準備組織設立に向け、取り組んでまいります。

古川橋駅周辺地区につきましては、引き続き、旧第一中学校跡地における道路や交流広場等の公共施設整備と併せ、快適な居住環境の整備を進めてまいります。また、地域が主体となり、本市参画のもと様々な人材が集積するプラットフォームにおいて、エリアの将来ビジョンを策定し、それに基づくエリアマネジメント活動やまちなかウォーカブル推進事業を進め、持続可能で魅力あるまちづくりを実現してまいります。

第二京阪道路沿道のまちづくりの推進につきましては、北島西(にし)(きた)地区において、計画的な土地利用を進めていくため、早期事業化に向けた土地区画整理調査を行うとともに、引き続き、北島東第2地区のまちづくりに向けた支援を行ってまいります。

次に、快適な住まい環境の充実についてであります。

門真住宅におきましては、入居者の安全を早期に確保するために引き続き建替事業を推進するとともに、生み出される余剰地を活用したまちづくりに取り組んでまいります。

大阪府営住宅の移管につきましては、6年度の第2次移管に向け中長期の収支見通しについて再精査を行ってまいります。

空き家対策につきましては、新たに子育て世代を対象としたリフォーム等補助を実施し、定住促進に努めてまいります。

次に、憩いの場の充実についてであります。

市内にある公園をより楽しく充実した憩いの空間へと変えていくため、3年度に実施した計画策定審議会、市民ワークショップなどでのご意見を踏まえ、4年度中の「門真市パークイノベーション計画」策定に取り組んでまいります。

次に、公共交通の充実についてであります。

大和田駅前地域につきましては、都市計画道路大和田駅三ツ島線にかかる銀行跡地も含め、早期に駅前広場を整備できるよう取り組んでまいります。

大阪モノレール新駅設置事業につきましては、引き続き、大阪府等と連携し、工事施行認可の取得など必要な手続きを進め、11年の大阪モノレール延伸事業との同時開業をめざしてまいります。

次に、コミュニティバス運行補助事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響やそれに伴い新しい生活様式が定着したことにより、乗降客数が減少し完全な回復が見込まれない状況の中、一方で、松生町の大規模商業施設等の開業を控え、交通量の増加が予想されるなど、新たな交通課題への対応が必要となることから、便利で快適な移動手段の確保に向け、既存のバス路線の再編と共に、新たな公共交通手段を検討してまいります。

次に、快適な道路環境の形成についてであります。

松生町大規模商業施設の開業も見越し、市道門真中央線の歩道整備等の交通安全対策に取り組んでまいります。

環境分野及び上下水道分野

次に、「環境分野」及び「上下水道分野」について申し上げます。

まず、地球環境保全についてであります。

脱炭素社会の実現に向けて、国の温室効果ガス削減目標等を考慮のうえ現行の「門真市地球温暖化対策実行計画」を改定し、5年度から5年間の計画期間で温室効果ガス削減の取組を更に推進してまいります。

次に、快適に暮らせる生活基盤の整備についてであります。

粗大ごみ収集の申し込みについて、利便性向上を図るため、電話受付に加え5年度からのインターネット予約受付システムの導入を目指し、システムの構築に向けた検討を進めてまいります。

また、小学校低学年から環境分野に関心を持ってもらえるよう、市内小学校の全学年の児童から環境分野に関する絵画を募集し、優秀作品を収集車に掲示するなど、市民の皆さまに向けてごみ問題等について啓発活動を実施してまいります。

ごみ処理広域化につきましては、大阪広域環境施設組合及び構成4市のご協力により、3年3月に「門真市のごみ処理広域化に関する確認書」を締結しており、引き続き、共同処理開始に向けた協議を進めてまいります。

ごみ焼却施設等につきましては、老朽化が進んでいることから、5年度に施工予定の5号炉を中心とした基幹的設備改良工事及び5年度から12年度までの包括的な管理運営業務を併せて実施するための事業者を選定し、安定的かつ効率的なごみ処理体制の確保に努めてまいります。

また、リサイクルプラザのプラント部門につきましては、4年4月施行の「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」への対応等を踏まえつつ、資源化処理業務のさらなる効率化を進めるため、4年度末をもって施設を廃止するとともに、資源ごみの選別等の中間処理を民間事業者に委託して実施するための準備を進めてまいります。

次に、上水道施設の基盤強化についてであります。

引き続き、計画的な上水道施設の更新、耐震化を推進するとともに、上水道事業の広域化につきましても、中間見直しを行い、4年3月に改定する「門真市水道事業ビジョン」に基づき、今後、大阪府をはじめ、大阪広域水道企業団及び他団体の動向も踏まえつつ、必要に応じた検討、協議に取り組んでまいります。

次に、下水道施設の基盤強化についてであります。

公共下水道事業につきましては、引き続き未整備地域の解消に向けた整備を計画的に進めるとともに、「門真市下水道総合地震対策計画」に基づく重要な管渠等の地震対策及び避難所へのマンホールトイレの整備に取り組んでまいります。

地域振興分野及び産業振興分野

次に、「地域振興分野」及び「産業振興分野」について申し上げます。

まず、地域会議についてであります。

すでに準備会が発足した第四中学校区につきましては、4年度の地域会議設立に向けた支援に取り組み、未設立である第二中学校区につきましても準備会、地域会議設立に向けた支援を引き続き行い、全校区での設立を実現します。

次に、ふるさと門真まつりについてであります。

新型コロナウイルス感染症の影響により開催を再延期した第4回ふるさと門真まつりにつきましては、感染予防対策はもとより、市民の皆さまが安心して安全に参加でき、心から楽しんでいただけるまつりをめざし、実行委員会とともに万全を期して取り組んでまいります。

次に、安全・安心な暮らしを支える体制づくりについてであります。

民法改正により、4年4月以降成年年齢が18歳へ引き下げられることから、成年に達する方へは、成年となったことを自覚できるよう、法的責任や義務等について周知を図ってまいります。特に、消費者被害を受けることのないよう関係機関と連携した消費者教育を積極的に実施してまいります。

次に、平和と人権の尊重についてであります。

新型コロナウイルス感染症に対する差別的な言動やワクチン接種の有無による偏見などが新たな人権課題となっていることから、引き続き、正しい情報に基づいた冷静な行動をとるための人権啓発や人権相談などを推進するとともに、4年3月に策定する「(仮称)第2次門真市人権教育・人権啓発推進基本計画」を基に、人権尊重のまちづくりの実現に向け取り組んでまいります。

また、誰もが多様な生き方を選択しながら、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向けて、「第2次かどま男女共同参画プラン」の改定に取り組んでまいります。

次に、地域産業の強化と発展についてであります。

これまで検討を進めてきました、特定工場が市内から移転することなく増改築や設備投資ができるよう、緑地等の面積率緩和を可能とする「工場立地法地域準則条例」の4年度中の制定に向け、取り組んでまいります。

次に、就労支援と雇用促進についてであります。

地元企業の人材不足の解消や就労機会の創出に向け、ハローワーク門真や守口門真商工会議所と連携し、合同企業就職説明会・面接会を実施してまいります。

地域教育振興分野

次に、地域教育振興分野について申し上げます。

まず、地域教育環境の充実についてであります。

生涯学習複合施設につきましては、基本設計等業務委託事業者に「株式会社遠藤克彦建築研究所」を選定し、大阪の新しいシンボルとして最近オープンいたしました大阪中之島美術館をはじめ、様々な公共建築案件の実績を活かしつつ、運営予定者である「カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社」とも連携し、基本設計業務に取り組んでまいります。引き続き、実施設計及び建設工事に向けて基本コンセプトである「地域とともにコミュニティを育む文化・学習の交流拠点」を踏まえつつ、市民の皆さまが誇りと愛着を持てる魅力ある施設となるよう進めてまいります。

また、図書館運営につきましては、現在策定中の図書館運営方針に基づき、新たな図書館体制の整備を進めてまいります。また、生涯学習複合施設の開館に向けた蔵書数の拡充を行うとともに、自動貸出機等の導入に向けた準備に取り組んでまいります。

次に、成人祭については、名称を「二十歳のつどい」と改め、20歳に達する人を対象に実施いたします。

次に、市民スポーツの振興についてであります。

3年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのスポーツイベントが中止となりましたが、4年度におきましては、感染状況を注視しつつ、感染症対策を講じながらスポーツイベントを開催できるよう準備を進め、幅広い世代が楽しくスポーツに触れることができるよう取り組んでまいります。

危機管理分野

次に「危機管理分野」について申し上げます。

まず、危機管理と災害時対策であります。

近い将来発生が危惧される南海トラフ巨大地震などの大規模な自然災害の発生、また、コロナ禍における災害対応として、災害発生時において適切かつ迅速に初動体制が取れるよう、避難所の運営を含めた市総合防災訓練を実施してまいります。

次に、市民の危機管理意識の向上についてであります。

災害から生命、身体及び財産を守るためには、日ごろからの備えが必要かつ重要であることから、引き続き地域での防災講話をはじめ、自主防災活動に対する支援を進めるとともに、自助、共助の意識醸成に努めてまいります。

また、安全・安心なまちを目指すため、防犯カメラの増設や、LED型防犯灯への取替、地域・警察との連携による防犯対策を推進するとともに、体感治安の改善に向け、市の現状や取組を市民の皆さまへ積極的に発信してまいります。

次に、消防・救急医療体制の充実についてであります。

広域的な大災害発生時にも十分機能しうる消防力の充実強化のため、地域防災の中核である消防団員に対する安全装備品を配備するとともに、守口市門真市消防組合と連携した訓練等を実施してまいります。

行政管理分野

次に「行政管理分野」について申し上げます。

まず、効率的・効果的な行政運営についてであります。

情報システムの標準化・共通化をはじめ、AI・RPA等の先端技術の積極的な活用、行政手続のオンライン化、公文書管理における電子決裁導入など本市におけるデジタル・トランスフォーメーションの取組を積極的に推進するとともに、計画的かつ着実に推進するため、「(仮称)門真市DX(ディーエックス)推進計画」の策定に取り組んでまいります。

また、証明書コンビニ交付サービスにおける課税・所得証明書の追加や、税関係証明窓口におけるキャッシュレス決済の先行導入、ショートメッセージサービスを利用した納付勧奨の実施など、デジタル技術を活用した市民の皆さまの利便性向上及び行政の業務効率化を図ってまいります。

マイナンバーカードにつきましては、引き続き申請サポートやマイナポイント手続支援を実施するなど、取得促進を図ってまいります。

また、部下と上司との間でコミュニケーションを図るための1つの手段として、引き続き1on1ミーティングを試行実施し、職員間の信頼関係の構築やモチベーションの向上などを図ってまいります。

選挙時における感染症対策の徹底を図るため、期日前投票所につきまして、現在の市内2か所に加え、4年7月に予定されている参議院議員通常選挙では、京阪電鉄古川橋駅前の商業施設におきましても開設してまいります。

次に、財政運営についてであります。

我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にありますが、感染症対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、今後は持ち直していくことが期待されており、本市の4年度の市税収入につきましても、3年度より増収となることを見込んでおります。

しかしながら、感染症拡大前の水準までの回復は見込めず、また、経常収支比率も100%を超える状況が続いており、本市の財政状況は極めて硬直化しております。

このように、依然として厳しい財政状況ではありますが、国の感染症対策や経済対策に係る財源を積極的に活用することで、新型コロナウイルス感染症対策の継続や、自治体DX(ディーエックス)をはじめとした「ポストコロナ」を見据えた取組の推進とともに、本市のまちづくり事業や人口減少対策といった「まちの成長」への投資を着実に進めてまいりたいと考えております。

むすびに

以上、4年度に取り組む施策の一端について申し上げました。

4年度予算につきましては、一般会計約664億円、また、国民健康保険事業特別会計ほか4事業会計をあわせまして、総額約963億円といたしたところであります。

今後も「財政調整基金を繰り入れない収支均衡予算」を継続し、「門真市健全な財政に関する条例」に規定する、財政調整基金の確保をはじめとした強固な財政基盤を構築していくことで、今般のコロナ禍や大規模な自然災害等の不測の事態をはじめ、公共施設の老朽化、少子高齢社会に伴う社会保障関係経費の増大といった社会情勢の変化にも的確に対応しつつ、将来にわたり安定した行政サービスを提供する基礎自治体としての役割を果たせるよう、「まちの成長」と「財政の健全化」を両立してまいります。

むすびになりますが、先日お話を聞いた、明治・大正期の実業家である渋沢栄一さんの言葉に、「事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。」というものがあります。これは行政においても言えることであります。

職員が目の前の仕事を一つ一つ丁寧に取り組んでいく中、パートナーを信用し、協働・共創の理念で連携していくことで、パートナーからの信用を得られ、ひいては市政を信頼していただけるものと確信しております。こうした積み重ねが市の魅力を高め、市民の皆さまに住みたい、住みつづけたいと思っていただけるまちづくりにつながるものと考えておりますので、何とぞ議員並びに市民の皆さまのなお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、4年度における施政方針といたします。

長時間にわたりご清聴賜りまことにありがとうございました。何卒、よろしくお願い申し上げます。

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